「しっくりこない」への二回目の出演

17日の早朝未明(もうほとんど深夜)から明け方5時までのパイプカツトマミヰズ練習を終え、空腹だったし人間睡眠時間は1.5の倍数の方が良い、と聞いていたので時間潰しと栄養摂取も兼ねてスタジオから程近い24時間営業の定食チェーン店へ。
ほっけ定食を食べたのだけど、そこまでべらぼうに旨い!ってわけでもなかったな。満足。

6時からの3時間睡眠のお陰か、良い目覚め。睡眠不足アピールととられてもしょうがないけれども、10年後に思い返して「ほら、あの一週間は頑張ったんだから」って指標にするためだ。9時過ぎに起床して、準備して10時半からの孤独部練習に向かう。2時間半のこの練習でこの後の「しっくりこないvol.2」の演奏を完全に仕上げる必要があったので集中して練習に取り組んだ。
練習後はこの日のイベントにもカメラマンとして会場入りする事になっていたヨシダユキ先生と自転車で栄に向かう。大型デパートの中の服屋だなんて自分一人で行くよりも人と行った方が楽しいに決まっている。「これじゃあまるっきりカップルだ」と笑いながらこの日同じく「しっくりこないvol.2」にて披露するソロ演騒用の衣装を選んだ。

会場入りした頃から物凄い眠気と倦怠感。
エナジードリンクももう体に入っていくだけ。一週間バタバタと動いてきた負荷が一気に襲ってきた。全く情けない。睡眠時間が少しいつもより少ないってくらいでへばるだなんて。
しかし予想通り、転換兼リハーサルでベースギターを大音量気味にガツンとやったら湧き出る力。演奏の狂騒には強壮作用があるのだろう。
この日の孤独部ライブハウス作品「学生1」は今までになく意識的にしっかりと構築していく方向にチーム全体が向いていたように思う。
かしやま君から演出に関する細かいメールが届いたのだなんて初めてだし、役者(今回ははじめましての方も含めて総勢8名の役者での表現)に対する演出も普段ならその人の感性を赴くままに出してもらう方向に進める事が多い彼にしては具体性をはらんだものだったし(それでも演技を見てそのままスタジオ内で演出をつけていく方向性から彼が役者と演奏陣という素材を重んじている事がわかる)、彼が持ち込んだ間接照明に関してもそう。
「音数は出来るだけ減らす方向で」という演奏面への”演出”も結果的に作品に貢献したし、こうしたいああしたいというヴィジョンが見えている人間の演出って他の部分と照らし合わせても納得出来る部分が多い。

それに対して舟橋孝裕名義でのソロ演騒は脱・構築で挑んだ。
今までは明確な朗読内容があって演出もあって「ここが肝」ってギミックもあったりしたわけだが、今回は大筋以外は完全に即興。相手役は面白い事に、孤独部主催かしやましげみつ。つまりあれだ、全く同じ二人が参加した、主導権をどちらが握ったかで出自自体が完全に真逆の作品が同じ日に披露されたわけで、内心これの結果がどのようになるかものを作る人間として興味があった。構築と即興のそれぞれに長所と短所があるのだろうなというのは漠然と思っていたいたのだけれども、やはりやってみた方がわかりやすいに決まっている。

今回は「ドラえもん」を原案とした随分とライトタッチな30分となった。
かしやま君演じる「のび太」が泣きながら部屋に入って来、僕が演じる「ドラえもん」に泣きつく。そして始まる即興。やりながら思ったのが、即興での表現っていうのはその場その場に応じた、一番効果的なものをその場に対して突き付ける事が可能となるフレキシブルさっていうのが本当に魅力的であるという事。
そしてそれは(昨日に限定された話かもしれないが)ある部分では「何をやっているか」ではなく「誰がやっているか」に依存する部分が少なからずあるという事。全てが全てではないだろうけれども、これは演奏に於ける即興、インプロヴィゼーションでも同じ要素があるのではないかと(それこそ前から)思っていた。
個人的に今回のソロ演騒は自分達で設定した目標はクリアする事が出来た。途中で随分と予想だにしない展開になり、前後不覚に陥ったりもしたけれどもそれでもクリアした。面白いものを、少なくとも面白いと思う人間が僕以外には絶無である、という事にはならないであろう30分を作った手応えはある。同時に次の課題もこれ以上なく明確に浮かび上がった。

主催チームの皆さん(なかおちゃんはソロでのサポートasドラミまでも!)、良い機会を頂きました。本当に有難う。共演者も「くそ…ッ!」って拳を握りたくなるくらい良いものをアウトプットしていてもっともっと喉元に突き付けるようなものをやっていこう、と思いました!

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廊下でイベントの進行と同時に製作が進んでいたライブペイント。
ふと見るとドラえもんとのび太。

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