「血走る三つ灯(め)」が出来るまで。

父の誕生会&スパイダーマン3鑑賞会と充実した日の翌日がライブ。心身ともに満たされて演奏できた。

不完全密室殺人第9回公演「血走る三つ灯(め)」が終了した。お越し頂いた皆様、ありがとうございました。
今回はマイカー共済企画に呼んで頂き、非常に豪華な面子の中へ参戦。ガッツンガツンに楽しんだ。巨乳まんだら王国のエンターテイメント性、カリスマ性が印象的。

さて今回我々が取り扱った脚本、ご覧になられた方はわかって頂けたと思うのですがあの「津山事件」を元にしたもの。横溝正史が話を聞いて「八つ墓村」の題材にした点からもわかるように、昭和犯罪史上類を見ないこの大量虐殺事件は当時の山村の持つ風習、性質等端的に表している。夜這い、結核、徴兵試験、様々な“その時”でないと出揃わない要因が揃ってしまい起きた事件。僅か数時間で30人を殺すというまさに鬼のような所行を僕が始めて目にしたのは僕がまだ幼い頃。夜九時からのTV番組であった。20世紀の偉人、有名人にスポットライトをあてて一時間で紹介するこの番組、その日の放送は津山事件の犯人、都井睦夫を扱ったものだった。頭には2本の懐中電灯、首からは自転車用ランプ、日本刀に猟銃、学生服。殺人鬼の異様ないでたちは幼い僕の心に焼き付いて離れず、津山事件はその後も心に残る事となる。

そして少し前のある日。深夜帰途につく中、酒の入った頭に突然一つの光景が浮かんできたのだ。それは学生服を着て頭に二つの懐中電灯をくくりつけ、首からは灯りを下げた男が返り血を浴びた顔で日本刀を振りかざす姿。その姿はすぐに山田康裕に重なり、僕はすぐさま彼に打診したのだ。

「次回公演で頭に懐中電灯をつける気はないか」と。

下調べの後、津山事件を題材とした本公演の脚本が書き上がったのである。

肝心の演奏も感情たっぷり、表現欲求の塊となれた。前回のライブでの反省点を活かして行えたと思う。

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