この頃、晩酌をしている。
元来、これはきっと家系的なものなのだが僕の肉体はアルコールを得意としていない。
学生時分に所属していた軽音サークルのライブ後の打ち上げでもほとんど飲まずに通していたし自宅でも飲む習慣なんてなかった。時々思い出したように飲酒してみては嘔吐したり頭痛に苛まれて己が肉体が如何にアルコール飲料に向いていないか痛感し「もう2度と飲むか」と呪詛のように呟いたりした。
会社に入社してからの飲み会に於いては同席するのが自らの価値観を現代的にアップデートしている上司ばかりだったので「無理に飲まないように」との免罪符を頂き、大腕振ってコカ・コーラを飲む事に専念した。
後にものの試しに自主的に飲酒してみたが結果たるや「飲むと静かになってしまうから」という理由で飲酒しないように通達が出される程であった。
つくづく、僕の肉体はアルコールに向いていない。
そんな僕が最近気が向いた時には晩酌をしている。食生活の改善と毎日10分程度の腹筋運動によって体系的にも実際の体重変化に於いてもポジティヴな変化が認められ(あとは血液検査で良い数値が出るように祈るばかりだが、それはもう少し先のお話)、ちょっと気を良くしてしまったのが原因かもしれない。
或いはバンドの会合でアルコールを伴っての意見交換が闊達なものになった事と、その時の自分が平時よりも直感的に(=半ば思いつきで)物事を話せている事に好意的な実感を得た事が原因かもしれない。
酔っ払って弛緩した状態が、好きだ。
というわけでバンドの会合に臨む際にChatGPT御大に相談したところ「ハイボールなら良いですよ」という回答を得ていたので、自宅でもコンビニで購入した缶酒のハイボールを飲んでいる。肴はやはりコンビニで購入したたこわさだったり枝豆だったりキムチだったり、これまたAIの判定による「今のあなたにとって体に負担のない」ものばかりである。
痛飲とまではいかないが、結構酔っ払う。
結果的に眠たくなって飲酒していない時よりも早々に寝てしまうという事実も「悪くない」と判断する一因であろう。
しかしながら「飲酒して顔が赤くなる人は食道がんのリスクを飲酒する事で高めている」旨のネット記事を偶然読んでしまい、3日に1回は嗜んでいた晩酌も機会がグッと減るのであった。