早朝4時半、2時間の練習後そのまま(僕の関わるバンドにしては)大量の機材をハイエースに詰め込んで一路大阪へ。
この日はパイプカツトマミヰズ、HOSOME 先輩にご招待頂きガチンコ勝負イベントに出演。慣れ合いでもなんでもなく、タマを取りに来いという事で個人的にも気合いと期待が満載の大阪遠征であった。
何故高速道路を使えば数時間で到着する大阪にそんなに早朝に出たのかというと「その方が楽だと思ったから」。普段より早起きして眠い目をこすりながら、そしてメンバーが寝坊するリスクを内包した午前中出発より確実にメンバー全員が集まる深夜練習後にそのまま出発した方が安心だし、向こうでしっかり休めば結果的にその方が楽だろうという判断。
大阪到着後、喫茶Yという俄かには信じ難い量のモーニングを出してくれるという噂の喫茶店で朝食後、各々車内や漫画喫茶で睡眠をとろうというプランだった。
だが。
カーナビゲーションシステムにより無事喫茶Yに到着するも、店内を覗いたところそのトークも評判も名物お母さんが「ごめんなさい、今日おやすみなの!ホラ、これ見てみて。今日はお客さんと行く旅行の日なのよー」。見ると『喫茶Y主催、バスツアー』のチラシ。15000円でお母さんと常連さんで行く楽しい日帰り旅行、この日はまさにその当日の朝だったというわけだ。
「今からでも参加出来るし、さっきも『今から行くよ!』ってお客さんから電話があった所なのよ」とお母さん。申し訳なさそうに、でもニコニコ話すその様子からは成程、このお店が愛されてきた理由のその片鱗が伺えた。名古屋から来たんです、とゴネる事は性分的に合わないし、何より旅行だってんのならしょうがない。「また来ますね!」とご挨拶してハイエースに乗り込む。
「とりあえず、mele行ってみようか」と本日のガチンコ対決会場である難波meleへ向かう一行。
カーナビゲーションシステムの賜物か、ものの十数分で到着。
「ここがmeleか…!」
とりあえず伊藤、舟橋、吉田で記念撮影。
当然、朝8時半に空いているわけもなくそのままハイエースに戻る。
「どうする?」
「・・・・新世界、行ってみるか。串カツ、しばいちゃうか!」
「お、いいねえ!」
思うに、この辺りで当初の予定から大きくルートを逸脱し始めたのだ。
朝の新世界、果たして開いている串カツ屋さんなんてあるのか、と思っていたのだがそれがあったのだよ。通天閣の目の前のコインパーキングにハイエースを停めて、そそくさと串カツ屋へ入って行く吉田、伊藤、スタッフゆーたんを見送り、病み上がりでそんなに食べられない各務君ととりあえず新世界をブラッとしてみたい舟橋、駒田の3人で新世界散策。
すると気の利いた雰囲気の立ち食いうどん屋さんがあった。ここなら各務君も食べられるだろうという事で入店したのだけどそこがまた旨くてねえ。大阪の立ち食いうどんって何であんなに安くて、そして旨いのだろう。いっぱい150円とか170円とかでかけうどんが食べられるあの感じ、是非名古屋にも!
で、結局串カツ屋さんに合流して一緒に串カツを食べる。朝の9時頃からビールをと串カツを楽しんでいる面々に対し、リズム体はソフトドリンクにスイーツ系串揚げ物。
腹も満たされたし、それぞれ散るかって事で散々右往左往した挙句、舟橋駒田のリズム体は以前吹原君と大いに堪能したスパワールドへ。ちなみに各務君は漫画喫茶へ行き、他の3人は「寝ない」と宣言した挙句最終的に灼熱のハイエース車に落ち着いていた。
スパワールドで体を休め、風呂に入り就寝に向かう駒田君と別れ、レンタル水着を借りて6階のプールへ。朝から食べ過ぎたので運動してカロリー消費、ついでにトレーニングも済ませておこうと思ったのだ。
だがエレベーターを降りた眼前に広がるはまさかのウォータースライダーに流れるプールの、まさに家族連れのための娯楽施設。バシャバシャ本気泳ぎをするわけにもいかないのでひたすら流れるプールを歩き続けた。これが意外と良い運動になったように思う。
その後、集合時間まで一時間程新世界を一人で散策したのだけど(ここで二度目の立ち食いうどん)、やっぱりああいう場所は名古屋には、ない。地面に段ボールを敷いて将棋を指す男性二人とか初めて見た。あの感じ、大好きだなあ!
集合後、再び難波meleへ。機材搬入、リハーサルと今まで何度も経験した本番までの流れ。それでもやはり遠征先で、しかも初めて出演するライブハウスとなると全てが新鮮だ。meleの雰囲気って何だか独特で、でも凄く波長が合うというか良いライブハウスだった。出音もゴツくて、良し。
リハーサル後に肉吸いを食べに行くも駒田君が調べてくれた有名店がまさかの昼のみ営業。仕方なしに入ったラーメン屋は何て事ない、普通のラーメン。豚骨の匂いと「ご飯お替り自由」の文字に騙された(ご飯は凄く好みの炊き加減だった)。
お腹が一杯になったのは、名古屋-大阪間の高速道路上でとった2時間と少しの睡眠の効果が切れた。一気に重くなる瞼、混濁する意識。気がつけばmeleの中で少し寝落ちしており、その様を見た駒田君が「死にそうな、物凄い顔でしたよ」とコメント。道理で吉田君も気遣ってか肩を揉んでくれたわけだ。皆、優しいな。
この日の演奏は初めて我々をご覧になる方々が大半の中、エネルギッシュにやれたと思う。
共演のバンドも非常に独特で、面白い感じ。なかなか名古屋でこういう色の日に出る事がないだけに個人的には大ハッスル。共通のワードが多そうなバンドさん達のお客さんだ、打って響かないわけがないじゃなういか、という思いがあった。
結果、良いリアクションを貰ったのではないか。エナジードリンク(この数日間で中毒かってくらい定期的に飲んでいた)を流し込んだ体は今やアドレナリンで普段以上の活力に満ち満ちており、演奏にしても素直に楽しめた。終演後に声をかけて頂けたり音源も買って頂けたりで嬉しかったです、いやはや。
そしてステージ脇から観たHOSOME先輩。流石の貫録。バッキバキにフロアを盛り上げてた。ポップでロックでちょっとねじれてて、凄い良いなあやっぱり!
終演後、すぐ名古屋戻りって事でヴォーカルギターの中島さんにご挨拶した際に物凄く嬉しい事を仰って下さってね、ああいうライブをやって、ああいうバンドをやって来られた、やっておられる、そしてやっていかれる方にああいう言葉をかけて貰えるっていうのは本当に嬉しい事だし、パイプカツトマミヰズっていうバンドに対して僕自身今後感じている楽しみを肯定して頂けたような気分。
僕達ってもっともっと格好良くなれると思うし、何より現状でもっと沢山の人に観て頂きたいと思ってる。今現在パイプカツトマミヰズは僕加入後、そしてどうやら結成以来過去最高の状態にあるようだし、色々ととって食ってやる!って意気込みに満ちつつ真面目にふざける事を追及している。
HOSOME先輩に今回そこを買って貰って呼んで頂けたのは嬉しかったし、だからこそいつかああいう人達をもっとギャフンと言わせたい、と思うわけです。
先達の背中は超えるためにある。
あ、式子さんと西尾維新作品の話をゆっくり出来なかったのは残念。いずれ今度は名古屋で、ゆっくりとバンド同士、読者同士あいまみえれたらなと思っています。
バンドって楽しい事ばかりだよ。先輩にガツンッとやられてもそれは一緒だよ。
負けたとしてもそれは楽しい。それはいつか打ち勝つための前哨戦に過ぎない、と捉えてる間はバンドはまだまだ転がり続けると思っている。割と結構、真剣に思っている。
帰りには、吹田SAで煮魚定食を食べた。
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