『ヒットラー Hitler The Rise Of Evil』『ダークナイト ライジング』

ここ最近映画を二つ観たので感想をザックリとまとめておく。

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『ヒットラー Hitler The Rise Of Evil』
アドルフ・ヒットラー少年が青年となり、一兵士となり労働者党のプロガパンダとなり、そして独裁者として権力を獲得するまでを描く米国のTV映画。2部構成で一部はヒットラーが投獄されるまで、そして2部からはナチス党が議会で議席を増やして権力を獲得、エルンスト・レームら突撃隊等に対して行った内部粛清「長いナイフの夜」事件までを描く。
『トレインスポッティング』『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』『28週後…』に出演していたロバート・カーライルがアドルフ・ヒットラーを演じる。
このカーライル=ヒットラーが物凄い迫力。現在に生き、ナチスが行った非道行為を知っている我が身でさえ演説シーンの迫力に気圧された。勿論ドイツ語ではなく英語で演説してるのだけど。
カーライル氏、ヒットラーを演じるにあたって独裁者の身振り手振りを記録映像等で研究し尽くしたらしく(腕の振り方から首の角度まで!)、まるでヒットラーそのもののよう。
ただ史実と比べると本作でのヒットラーの描かれ方はエキセントリック過ぎるらしく、予備知識抜きで視聴した僕でさえ「こんな変態じゃないだろ」とは思った。
独裁者として悪名高き男の、それ以前を描いた映画を観る事で何か感慨が湧くかと思ったけれども、本作での彼の描かれ方がはなっから感情移入出来ないというか「どうしてそこまでユダヤ人を憎むのさ」とツッコミを入れたくなるくらい、例えて言えば過激な右翼活動家を見てるようなそんな感覚を抱いた。
わかりやすく、恐らくは当時の時代背景等結構ザックリと端折って描いてはあるけれども、一人の男が如何にして支持を集め、独裁者にのし上がっていくかを描いた作品としてはわかりやすい。
この表現が適切かはわからないけれど、映画としては面白かった。

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『ダークナイト ライジング』
クリストファー・ノーラン版バットマン3部作、最終作。
前作の『ダークナイト』がもう目が覚めるくらいに良作、非常に印象深い作品だっただけに今回も期待していたのだけど、一言で言うなら「前作のが良かった」。
映画の内容が全く違う作品だけに比べるのは違うのかもしれないけれど、それでも同じ監督が作る続編となると期待するのがファンというもの。駄作、では決してないのだろうけれど前作と比べればそう言いたくもなるくらいの作品では、ある。
前作でヒース・レジャー=ジョーカーが神がかった存在感を示していただけに今作のヴィランであるベインにも期待していたのだが(僕はヴィラン好き)、これがもうとんだ期待外れ!襟元に手をかける癖のあるだけの変なマスク被った巨漢、なのである。ジョーカーの混沌としていながら知性を感じられる芸風(と言っていいのか)をあれだけ強烈にスクリーンに叩きつけた後のあのベインじゃ、何ともスケールダウンした印象を受ける。
知性も、凶悪さも、カリスマ性もあまり感じられなかったものなあ。退場の仕方も適当過ぎやしないか。
シリーズ皆勤賞おめでとう!のスケアクロウ(キリアン・マーフィー)が観れたのは嬉しかったけれど。
ってかこの作品が2作目で3作目が『ダークナイト』だったら随分と印象が違ったのだろうな…。
それとアメリカ人って本当に核爆弾に対してあれで済むって印象しかないのだろうか。何だかただの「強力な爆弾」みたいにしか描かれてなかったような気がするぞ。

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