「出れんの!? サマソニ!?」というオーディションがあった。
エントリーしたバンドがweb上にて一般審査され、投票数を集めた上位300組の中から審査員が選んだ数組がSUMMER SONICのステージに立てるというものだ、確か。
それによって選ばれたアーティスト、つまり一般応募の中から選ばれたサマソニ出演バンドが昨日発表されたのだった。その中にはカイテイサカナタクサンのちんくる君がギターを担当しているmississippiroid、東京の盟友 太平洋不知火楽団、そして我らがwhite white sistersもその名を連ねていた。
パイプカットマミヰズ企画に出演して頂いた水中、それは苦しい先輩、JONNYで東京にて共演したTHIS IS PANICも出演だったりと共演歴のある方々も出演決定している。
親しい人達、尊敬する先人、そして同じ空気を吸い同じお客さんを前に演奏したバンドが夏フェスに出演する。しかも一定以上の評価(応募したバンド/アーティストがどれだけいるかは知らないし、300組に絞られる一時審査の倍率がどれだけかは知らないけれど、そこに入る事だって凄い事だ)をされた上で。こんなに嬉しい事はない。皆、本当におめでとう!
残念ながら僕は夏フェスにはほぼ確実に行けない。時間もお金も、そして気合もない。音楽愛好家としてここまで頑ななのもどうかとも思うが、自分の活動時間、資金工面のために行けない。無念ではある。今年程夏フェスを現場で見届けたいと思った事はない。そして今年以降これほど「行きたい!」と思う年があるかどうか怪しい。
有名な海外アーティストの来日も、好きなバンドの出演も勿論引き金にはなろう。しかし友人達の栄えある大舞台という要素の前ではそれらがどれだけの求心力を持つというのか。僕みたいに「音楽好きが高じてバンドをやっています」というよりかは「人と人の関わりが面白くてバンドをやっています」というタイプには、後者の方が大きな魅力になるのだ。勿論彼ら出演者の音楽は大いに魅力的であるという大前提はあれども。
twitterのTL上で「出演決まりました!」の第一報を目にした際は興奮したし感動もした。名古屋を飛び出して、或いは遠方の友人がサマソニの舞台で多くの人の心を惹きつける瞬間を夢想してシビれたりもした。
しかし名古屋のバンドマン、いやさ全国のバンドマンのうち、感じている人間が決して少なくはないであろう感情をご他聞に漏れず僕も抱いている事を僕は正直に打ち明けておかねばならない。
「羨ましい」
勿論彼らは応募、選考、審査という順を追った段階を経て出演確定したわけである。何なら応募さえしなかった僕が嫉妬を口にするのは生臭な人間が勤勉な人間の出した成果をうらやむのとほぼ同じで、これは醜悪な感情だ。それでも僕は嫉妬の感情を抱いてしまう。だから大舞台に出られないのかもしれないね。だって僕、創造者ではなく心の底から俗物だもの。
ステージに立ってカリスマ性を発揮するというよりかはステージの片隅でギャーギャー喚いている、音楽的想像力は絶無(これはもう確信に近いし事実だから自己卑下でさえないよ。僕はクリエイターではない)な僕は、夏フェスという存在に対して羨望を持ちつつ、それを原動力に夏を乗り切ろうと思う。今の僕にはこんな夏フェスとの関わり方が一番良いんじゃないだろうか。
最後にもう一度。
夏フェス出演が決まった皆さん、本当におめでとう!是非その才能を遺憾なく発揮してきて下さい。僕は皆さんがどのような思いで応募をし、どのような苦労をし、そしてどのような思いでステージに立つかはわかりません。けれども皆さんがどれだけの才能を有しているのか、それは片鱗くらいはわかる気がするのです。僕は僕の知っている才人が大舞台で演奏する事に喜びを感じています。
どうか健康と事故には気をつけて!
そして夏フェスから帰ってきたら、土産話を聞かせて下さい。きっと「良いなあ」「楽しそうだなあ」と僕は心底羨ましそうに相槌を打ってしまうけれども。
夏が来た!
フェスに遊びに行く方、怪我と体調に気をつけて!
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