ここ数日

ここ数日はずっと職場のコンサートの仕事にかかりきりだった。

地震や原発による不穏な空気は、この発表会をずっと楽しみにされてきた生徒さんには何の関係もない。こんな時だからこそ発表会だけは成功させなければならない。

上司はそう言って当日ギリギリまで動いていたのを僕は知っているし、先生方もきっと同じ気持ちだったんじゃないかなと思う。

勿論発表会にかかりきりでも、同時に僕は僕の日常を謳歌していた。

18日夜、鶴舞 Vetixにて有志による弾き語りライブがあった。24-two four- 若杉さんやi GO 茜谷さんの呼びかけで多くの出演者が集まり、Ustream配信もされている。きっと、多くの葛藤や苦労があってここまできたんだろうな、と何となくそう思った。「あとはやるだけだ!」と多くのバンドマンは企画やライブの直前に言うけれども、この日のチャリティーイベントは根本的に性質が異なるのは、会場にいる皆の顔を見ても明らかだ。

そりゃあそうだ、それだけ大きな出来事がこの国で起きたのだ。それにショックを受けて何か出来ないかと考えた結果、皆ここに意思を持って集まっている。

ONE BY ONE RECORDS 柴山社長も「賛同してくれる、共感を感じるバンドマンは是非連絡下さい」とイベント発表の時から呼びかけていた。勿論共感した。「何か自分に出来るか」と吟味した結果、会場には完全にお客さんとして遊びに行こうと決めた。

だってそうだろう、僕は今回の地震に関して、本当に申し訳ないけれども(これは被災地の方々に向けての言葉です。僕は理解はしようと努めているけれども、多分貴方方の感じられた半分も共感出来ていないのです)リアリティを感じれていない。多分そう。それでも人前で何かをする事は出来るかもしれないけれども、それをするのはやっぱり今の僕にとっては違和感で、僕は募金や身近な人に対する精神的に寄り添うといった形でしか地震以降の日本で他者に関わっていない。

JONNYから佐藤さんと篠田君も出演する事になっていたのだけれども、すまん、仕事をとった。

1時に帰る予定だったのが気付いたら4時半って本当にお酒は怖い。でも、数時間後の会場入りの事を考えて慌てて帰路に着いた。

帰る直前に外にフラリと出てこられた柴山社長に声をかけた。

自分が酩酊状態なのは明らかだし、それが一瞬で社長に伝わったのもわかった。だからこそ目をまっすぐに見据え自分が今回の地震で感じた事、そして今日参加出来て嬉しかった事、残念だけれども自分は帰らなければならない事を出来るだけ言葉を選んで、落ち着いて話した。

伝わった、と思う。

結局帰宅して2時間ちょっとしか眠れなかったけれども、発表会の会場入りには遅刻する事もなく、そして本番中も居眠りする事もなくイベントを終える事が出来た。

これはちょっとした僕の自慢、だ。やりたい事はあらゆる意味で全てやりきった、と思った。

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