昨夜はドラムセット2台、ギター、ベースでスタジオ入り。ノイズまみれの即興演奏を楽しんだ。
途中ではギターリスト氏も僕も楽器を置いて、それぞれエフェクターの発するノイズなりループさせたフレーズのピッチを弄繰り回したりで演奏。ドラマー二人も支えたり外したり、で愉快なセッションを堪能。
思えばこういうのって学生時代以来なかなかなかったかもしれない。当時はよく突発的にやったりしていたのだけどなあ。刺激を得る、与え合う良い機会なので今後も続けていきたいと思う。
さて、前回記録したレーベルツアー東京場所 から名古屋へ戻り、仮眠をとったその後の事。
2/27(日)
この日は、名古屋の高校生や大学生が中心となって企画されたイベント『しっくりこない vol.1』に未確認尾行物体で出演。
昼頃起きだして色々と小道具を100縁ショップやスーパーに買出しに行き、一通り揃えたらそのまま会場入り。
会場となった新栄DAY TRIVE&TRIMはバンドステージと弾き語りステージに分けられ、我々は弾き語りステージでの出演である。共演者はソロに紙コップスにと急がしそうな菊地さん、swimmyからひぐらし君、里帰りの星野さんである。主催側の意図なのかはたまた偶然なのか、全員が鍵盤奏者でかつ歌い手という事でもう我々、完全にアウェイである。歌と曲、持ち前のスペックで勝負出来るシチュエーションに放り込まれるっていうのは、何だか結構最近にも同じ経験をした気が・・・・ああ、この日 だ!
未確認尾行物体、前回 のライブから約一年ぶり。
前回と客層が全く同じってわけではないし、相方が違うので(前回演奏してくれた篠田君は「もうあんな思いはしたくない」と出演に難色を示した故)朗読した内容は全く同じ宮沢賢治さんの『注文の多い料理店』。
だけどもあれだね、朗読にあわせた即興演奏、この即興演奏が違うと朗読も全然変わってくるね。伊藤誠人 君の鍵盤演奏を意識したりしなかったりで、しかして振り返れば前回とはやった後の感覚が違った。勿論環境も違えば一年経って経験した事や考えた事の蓄積の影響も出ているだろうけれど(表現とは須らくそういうものなんじゃないか、と思うけど)も、彼のお陰で充足感を得るパフォーマンスを行う事が出来た。
まあ、つまり今回もクリームまみれになったわけですよ。
以下、なつきちゃん撮影の写真で未確認尾行物体を振り返る。
で、「瓶の中の香水を頭にふりかけて下さい」のシーンに則って、頭から水をかぶり、もうグッチャグチャ。
作中の二人の紳士が味わった以上のグッチャグチャ。朗読パフォーマンスでこんな目に合うなんて(まあ、考えたの俺なんだけどさ)前代未聞だろうよこれじゃあよ。
しかし会場には沢山の方が集まって下さったし、皆さん結構楽しんで下さったようなので本当に嬉しかった。
でも一年に一度やればいいや、こういうのは。
朗読内容も人から拝借し、演奏も人任せで今回僕が創造したものって何一つ、ない。
強いて言えばパフォーマンスのアウトラインを考えただけで、でもこれって多分誰にでも出来るわけでだからこそ僕のソロ出演にはこういう内容が相応しい。凡庸なる人間が凡庸なる知恵を駆使して全力を尽くす。覚悟さえあれば誰にでも出来る内容を行う事で僕は自分の信念を持って取り組む事が出来た。
結果的にはわからないけれども、今回の僕達のパフォーマンスが相応のリアクションを得たならば、それは音楽で人の心を動かす、動かし得る芸術家達に対して僕の「発想」がそれなりに善戦したという事であり、僕はだからこそ「同じ土俵で戦わずして」「他人のふんどしで神輿を担いで」パフォーマンスを行う事に決めたのであった。
きっと、音楽的才能がなくたって、それを天から与えられなくたって、鍵盤のどこが「ド」なのかわからなくたって覚悟と勢いと、発想があればステージには立つ事が出来る。
それにしても、高校生とか大学生でああいうイベントを挙行する、そして出来るというのが自分が彼らくらいの年齢だった頃の事を考えると、つくづく凄い事だなあと思うわけである。
だってそうだろう、彼らは僕らと違って学業もあるし定期試験もあるし、それこそ受験だってあるのだ。勿論仕事をしながら、バンドをやりながら企画を行う方々もおられるわけでそれよりも今回の企画の方が主催するにあたって苦労が多かった、偉業であるだなんて言う気は勿論ない。さらさらない。
けれども若い彼ら(世間的に見たら若輩者の僕よりも、彼らは若い)が自力で、応援はあれども後ろ盾はなく企画を完逐したというのはそれだけでも価値のある事なんじゃないかと思うのだ。彼らはただただ無邪気に企画を進めてきたわけではなかった。当初集まったメンバーの中でも諸々の事情で最後まで携われなかった方もいらっしゃったそうだし、苦労も相当あった。思うに、「楽しいなあ」よりも苦労の方が多かったんじゃないだろうか、当日まで。「イベント企画ってそういうもんでしょ?」と言われたら返す言葉もないけれど、でも信念を持って、演者の事を考え、何なら出演者にもたらされるフィードバックに思いを馳せ、そしてそこまでやったにも関わらずステージに立たずに、大勢の人間の拍手を直接その身に浴びる事なく企画を終える所謂「イベンター」という業種の方々こそ、正当な評価を受けるべきなんじゃないかと僕は思うのだ。
何より、主催の一員であり中軸となって動いたなかおちゃんをはじめ、彼らはイベント当日まで全力を尽くした上で自分自身がイベントを楽しむ事を忘れていなかった。打ち上げでの彼らの笑顔は本当に眩しかったし、彼らチームがまた集まる事があるならば僕は全力を以ってそれを支持したい、と思う。
僕としては、もう無邪気にそれに、彼らの企画に関係出来た事が嬉しい。
本当に有難うございました。貴方の、貴方方の節目となった今回の企画に関われた事を感謝しています。
打ち上げでは同じ杏花村で打ち上げていたハヌマーン亮ちゃんも一緒に盛り上がった。
彼は、現代に生きる侍。得がたい友人を持ったなあと思う。
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