この小さい(画像じゃわっかんねえか)エフェクター、これに去年の暮れ頃から夢中である。
ざっくばらんに説明するなら齢にして若干18歳の、男子高校生が製作したブースターである。
僕の職場は立地柄、僕の母校の高校生達が帰宅中に立ち寄りやすいようで、毎日下校時間になると制服を着込んで楽器を背負ったうら若きバンドマン達が楽譜コーナーや楽器コーナーで目をキラキラさせて品物を眺めている光景がよく見受けられる。
彼らはそのほとんどがかつては僕も所属した「バンド研究会」という軽音サークルの部員達で、文化祭の体育館ステージの音響スタッフを担当、彼らのライブのオペレートを受け持った事もあってか顔見知りと言える、或いは友人レベルまで親しくなる部員も少数だが存在する。
彼らはライブハウスに足繁く通い、自分の好みにあったインディーズ・バンド発掘に余念がない。名古屋インディーズ界隈も然り。
で、ライブハウスで顔をあわせたり僕の所属するバンドのライブに足を運んでくれたりしている間に親しくなった「ニュータイプ理論 」君というギターリストがいる。彼はその若さにも関わらずエフェクターを自作、活用しているようで「凄えなあ」と思っていたのだが、ある日の事。
「エフェクター作ったので試してみてくれませんか」と連絡を貰い、彼が持ってきたのはトライアングル・ノブ期の回路を再現したBIG MUFFコピー。早速各務君(不完全密室殺人)に試して貰った所、おおこれはなかなか良い!!
で、そんな彼が僕に作ってくれたのが上の画像のブースター。MXRのMICRO AMPというエフェクター(Red Hot Chilli PeppersのFLEA師匠が使っている事で有名ですね)のコピー品で、それを可能な限り小型の筐体に収めて貰った一品。本物を買うより安いし、何より僕は「自分のために」という一点モノに弱い。完成してすぐに喜び勇んで実戦投入した。
かねてから考えていた事の一つとして、「歪みエフェクター入力段階でのゲイン調整」がある。
ギターリストがクランチ気味に設定したギターアンプに、ブースターをカマした信号を送り込む事でソロの際に歪み量、音量を調節するアレだ。入力レベルが変化すれば歪み方も当然変わるはずで、良いブースターがあれば一つの歪みエフェクターでもそれなりの変化が出せるはずだ、と考えるのは当然の事。
なかなか試す機会もなかったのだが(バンドマンって大抵が慢性的に金欠なのだよ)、このブースターのお陰でそれの実験も出来た。「歪みエフェクター入力段階でのゲイン調整」はなかなかに有効なように思える。
そしてこのエフェクター、カマしておくと当然だけれども音質に変化が生じる。オリジナルがどうなのかは試していないのでわからないけれども、この「ニュータイプ理論」君が製作してくれたブースターは中低域をクッと持ち上げ、そして音にハリをもたらしてくれる。
「これもオマケでつけますよ」と渡してくれたオペアンプに付け替える事で、さらに音の傾向が変わるそうなのだけれどもまだ試していない。
で、今はこのブースターを所属/参加する全バンドで使っている。
どのように使っているかというと
不完全密室殺人=音をブーストしたい際にオン。または歪みエフェクターの入力レベル調整として。
JONNY=常にオン。ベースの音を少し引っ込めたい(音量的にもトーン的にも)際はオフ。
パイプカットマミヰズ=基本的にオン。音にパンチをもたらすものとして。
iGO=JONNYと同じ使用用途。
こんな感じである。
いやあ、これが須らく役に立つのだ。
音色的にもサイズ的にも、そして見た目も大満足。エフェクトボード内で場所をとらないし、ブースト量を調整する事で結構音色に変化も出るので面白い。常時オンにしているって事は、とどのつまり平常時からよりドライブ感が加わったって事なのだけれども、これがまた気持ち良い。
なくても演奏出来るけれども、足元にある事でより充実した演奏をする事が出来る。
そんなエフェクターだ。
こんな逸品を作れるなんて、今時の18歳って凄いものだと痛感した次第である。
コメント
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ここまでの長文を…!
ほんとに、感謝感激ですね。。
尊敬出来るバンドの、人の、音に携わることが出来るなんて僕は幸せ者です。
ありがとうございました!
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>ニュータイプ理論さん
僕こそ君を尊敬します。
バンドをやりながら自分に必要な技術を身につけるというのは簡単な事ではないと思うので。
いやはや、本当に秀逸なエフェクターを有難う!
今後も宜しくお願いします。