グローサーフントを作る 第1回 安売りされているキットを購入→組み始める

模型製作、というかマシーネンクリーガーのキット製作にハマッて3ヶ月が経った。
その間に作ったキットはファイアボールSG(NITTO製)、グスタフ(NITTO製)、AMMOKNIGHTS(WAVE製)、ファイアボールSG(ガチャーネン)、メルジーネ(3QMODELS製)、ハインリッヒ(NITTO製)の6つ。いずれも楽しく作る事が出来た。
そのほとんどがBO〇K OFFで購入してきたのだが、近頃はインターネットでも結構安く売られている事がわかり定期的に各種サイトを巡回するようにしている。
3月のある日の事。メル〇リを見ていると意外な程安価でハセガワ製グローサーフントが販売されている。相場の7割程の価格だろうか、一瞬目を疑う価格設定なのであった。商品説明を見てみると、どうやらプラモデルが趣味の夫のコレクションの一部を妻がメル〇リで販売しているようだ。曰く「夫の積みプラが大量になり、押し入れ3つを占拠したので代理で出品します」。
ちょっと心臓がキュンとなる販売口上ではある。それは、その、大丈夫なのか。夫に許可はとっているのか。夫婦仲に亀裂が入りやしないのか。気にはなったが、ハセガワ製グローサーフントを安価で手に入れるまたとないチャンスである。
心の中でこの日本のどこかにいる、会った事もなければ今後会う事もない、同じ趣味嗜好を持つであろう夫氏に「ごめん、申し訳ない」と言いながら商品購入ボタンを押したのだった。

丁寧に梱包されているばかりか、「この度はご購入ありがとうございます」という綺麗な字の丁寧な添え書きまで同封されてハセガワ製グローサーフントは僕のところにやってきた。あ、多分本当にこれ積みプラだったんだな。外箱も含めて滅茶苦茶綺麗だもの。積みプラは罪プラとはよく言ったものだ。「作らないんだったら、手放したら?」と妻氏が夫氏に言い、夫氏が渋々それを承諾している様子が脳裏をよぎった。夫氏よ、貴方が積むしかなかったこのグローサーフントは、僕が組み上げようじゃあないか。それがプラモデルの本懐というものだ。
購入する瞬間は夫氏に同情したものだが、今や手頃な価格で販売してくれた妻氏に握手を求めたい気分なのであった。

さて、グローサーフントである。
グローサーフントはシュトラール共和国軍が傭兵軍との戦乱の中、減少した兵力を補う為に開発した無人兵器である。AI搭載で自律思考し、行動して攻撃する。グローサーフントとは『大型犬』を意味し、そういえば頭部の両側に備えられたガード部分が犬の垂れた耳に見えなくもない。
AIは度々暴走したそうで敵である傭兵軍ばかりか友軍であるシュトラール共和国軍にも恐れられた兵器であるらしいが、何故か失踪した機体が遊園地で風船を配っていたり無人島の警備を単独で継続する機体が発見されたりと色々逸話があるようで、そういったエピソードが箱だったり説明書に書いてあってそれを読むのも楽しい。
AI搭載の大型犬。良いじゃあないか。


説明書通りに作っていくと足から出来上がって来る。
通常の脚部よりも関節が1つ多いという異形。しかしその1つ多い関節によって意外な程にバランス良く立ってくれる。
そして、デカい。予想していたがこれまで作ってきたキットと比べても滅茶苦茶デカくなる予感。


そしてこれまでもAMMOKNIGHTSのキットで登場し、思わず「まじかよ」と口に出してしまったこの極小のボルトやナットのパーツ、この板状の箇所から切り落とす方が楽だと知った。これまでニッパーで切ってはそのまま弾け飛んでいくつか部屋の藻屑と化していたのだけれども、板からデザインナイフで削り落とした方が綺麗に部品を切り出せる。
それでもやっぱり神経は使うのだけれども。