10月24日(日) 12:40頃
目が覚めた。気がつけば「コダマ10 」最終日半ば。
10分だけ眠るつもりがそうもいかず、どうやらガッツリ6時間近く眠ってしまったらしい。周りを見れば自分が侵入した際には死屍累々としていた仮眠所も、今や自分一人だ。顔も浮腫んでいるし身体の節々も痛い。寝癖もどうやら相当酷い様子。きっと酷い顔をしているのだろう。出来るだけ人に会わずに洗面台に辿り着きたい。
しかし洗面台のある水道口まではコダマステージ前を横切らなければならない。絶対に人目につく。
というわけで海側から廻って行く事にし、薄汚れたエプロンをつけたまま斜面を滑り降りた。
同日 13:00
さっぱりした顔で社長、ギバ君達と会う。しばし談笑。
会う人会う人に「犬丸ラーメン 」の話をふって頂き、嬉しく思う。皆それぞれに楽しんで下さった様子。出店者冥利に尽きるなあ。しかし、片付けは?聞くところによるとシン君、小森君がやってくれたらしい。眠ってしまった僕を起こそうともせずに。申し訳ない!この借りは来年返します!
同日 14:00
コダマステージにて24-two four- を観る。
僕が起きた時から空は曇り模様だったけれども、少しずつ雨がパラついてきた。しかし皆、雨が降ろうともその場を動こうともせずに24の音楽にあわせて体を揺らしている。御幣があるかもしれないけれども、良い光景に良い雰囲気。
24を観終わると佐藤メンバーが「車で岩屋寺に行こう」と声をかけてくる。交換条件としてコンビニにも寄ってもらう事にして、同乗。佐藤メンバーはこの辺りが地元という事で色々と感慨深い様子。高校時代に岩屋寺にはちょっとした思い出があるようで(詳しくは2YOU MAGAZINEのwebsite 内、彼女のコラム を参照の事)、この数日前から岩屋寺にひどくご執心な様子。岩屋寺で起きた怪異に関心があるようなのだけれども、岩屋寺に関して熱っぽく語る彼女の様子は呪われてるんじゃないかというくらい情熱的。
個人的には心霊スポットも怖い話も大好きだけれど、幽霊や心霊の類はこの目で見るまで信じ難い。
同日 15:40頃
岩屋寺、コンビニとちょっとしたドライブを経て会場に戻るとmudy on the昨晩 が演奏を開始していた。
今朝方、ともに犬丸ラーメンを作り上げたmudy~、もう僕の中では勝手に盟友クラス。演奏を拝見わず。
ステージの前が人で一杯だったので背の低い僕はその隙間隙間でしかステージの中の様子を伺えなかったのだけれども、やはり良い演奏。一見(一聴?)複雑なようなのだけれども踊れるというか、歌心がありますねmudy on the昨晩。演奏中に上空の沢山の海鳥が飛び交っていて、何だか映画のワンシーンみたいだった。
同日 16:30
何だか疲れがぶり返してウダウダしていた気がする。車の中で機材とか荷物を整理していた気が。
ってか確かこの頃まで犬丸ラーメンで使ったエプロンをずっと着用していた。何だかさ、離れ難くって。
同日 17:30頃
のうしんとう を観て「コダマ10」フィニッシュ。
ぼちぼち帰っていく出演者、お客さん。ああ、コダマが終わっていく。そんな風情を感じつつ、コダマステージのメインスピーカーをバラす。アジアステージはどうやらのうしんとう中にもうバラシが完了していたようで、何て迅速な進行!
雨の降る中での作業となったけれども、皆一様に達成感を噛み締めているような表情。
同日 19:30頃
はみちゃん達がそろそろ帰らなければならず、同乗してきた僕も、と思ったけれども堀さんの「残るなら帰り送っていくよ」という言葉で心揺らぐ。で、結局残る事に。松井さん、堀さん、コキさん、舟橋によるコダマの完全解体が始まった。
同日 22:00頃
一旦休憩。音響業者さん、ステージを組んだ業者さんも皆帰られ、残るはアジア の皆さんと我々のみ。アジアにて夕食を頂く。スパムおにぎりにラーメン、っそいて蛸ブツ。旨かった。凄く旨かった。
同日22:30
流木の処理に行く3人を見送り、投光機に照らし出されたコダマステージの土台をインパクトドライバーでバラバラにしていく。土台、何枚もの板で組まれているのでビスさえ外してしまえば積んでいくだけである。雨が降る中、フードを目深に被り投光機に照らし出されている俺ってばまるっきり怪しいんじゃねえの、と思う。
同日 23:00
一人の作業は自然と独り言が多くなる。「ええいこん畜生め」とか言いながらインパクトドライバーを奮う。
3人が戻るまでにコダマステージを更地に戻してしまおうと目標を掲げ、熱い気持ちになっての作業。雨は、まだ降っている。
同日 24:00
コダマステージ解体も終わり、松井さんと交代して土嚢の処理に行く。トラック内では堀さん、コキさんとスタートレックやらガンダムの話をする。
10月25日 0:30
ゴミの分別作業。アジアのご好意で分別さえしてくれれば後は引き受けて下さる、との事。ご好意に感謝。
犬丸ラーメンのゴミが異臭を放っていた。
同日 1:00
細々とした片づけを終え、撤収完了。「コダマ10」、後日松井さんと堀さんによる後片付けは残っているものの、現場に於いては完全に解体。お疲れ様でした!
同日 1:30
堀さんの運転するトラックに乗り込み名古屋へ帰投。コダマでの思い出や感想を話したり、神様シリトリをしたり自分のバンド観等を話す。堀さん、眠気に襲われながらも必死の運転。
本当に有難うございました。
同日 2:00
帰宅。
達成感しかなかった。
こうして僕の「コダマ10」での48時間は終わった。
構築途中から解体まで目の当たりにしたわけだけれども、あの野外フェスは多くの人間の情熱、そして信念が礎となって作られていた。平時は有難い事に出演する側である事が多い立場だけれども、ああしてイベントを作る側の人間と触れ合い、作業をともにする事で自分が普段出演しているイベント、そしてライブハウスでは多くの人間が自分達の演奏に力を貸して下さっている事が再認識出来た。
この48時間で得た経験というのは恐らく今後も僕の糧となってくれるだろうし、あの場で作業をともにしたスタッフ様には感謝の念、そして親愛の情を感じている。
松井さん、堀さん、そしてスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。
あの野外フェスで多くの人が感じた喜び、楽しさは出演アーティストや出店者が作り出した物である事に間違いはないけれども、イベント自体の賞賛は貴方方のものです。
「コダマ10」に出演者、出店者、そしてお手伝いで参加出来た事を誇りに思います。
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