ビールを飲んでみた。

Beer実は、ビールが飲めない。
ライブの打ち上げや友人との飲み会、はたまた公的な酒の席でビールが回ってくると内心萎縮してしまう。
あの苦味が、あの匂いが、あの腹に溜まる感覚が苦手だ。
酔っ払っている時や体調の優れない時等はビールの匂いを嗅ぐだけで体調が悪くなったような気さえする。こんな僕はビール飲み、真夏の暑い日にビールをグイッと飲む爽快感を知っている人間からすれば大馬鹿野郎なのではないだろうか。

兎も角ビールに対して苦手意識を持っている僕なわけだが、先日ふとした弾みで「飲んでみよう」と何故だか思った。テーブルの上に置かれた瓶ビール。それに対する4つのグラス。明け方まで飲んだ疲れ、心地良い疲労感が体を支配する中何故そう思ったのかは定かではない。興味本位、というのが適当か。
或いはグラスに注がれたビールをいつものように遠慮するのすら煩わしかったのかもしれない。やはりそれというのは僕のような不器用な人間がやると場の空気が白ける行為なのだ。

グラスを握り、ふとインターネット上の大型掲示板で見た一文を思い出す。
「ビールを飲み慣れない人間、だけども飲まなければならない人間ははじめは味わおうと思うな。喉で飲め」
喉で飲む、というのがよくわからない。グイと喉に流し込んでみるのだろうか。
ええい、ままよとばかりに一息に喉にビールを流し込んだ。
飲めた。

一口味わってみては後悔してきたビールを、結局僕はグラス二杯分飲んだのであった。

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