前回まで
・マシーネン始めました ~ファイアボールSG編 第1回 購入→洗浄→組んでみる~
・マシーネン始めました ~ファイアボールSG編 第2回 組み上がり→下地塗装~
この日で仕事納めである。
滅茶苦茶忙しいか滅茶苦茶忙しくないかどちらか、つまりその中間って事はないだろうなと思っていたけれどもいざ当日を迎えると午前中は忙しく、お昼からはちょっと暇だったのであった。忙しい方が有難いと感じる性格なので昼からは手持ち無沙汰な時間はあるにはあったけれども、片付けや1年分の整理等、やる事は探せばあるものだ。
毎年振り返っては「激動の1年だった」と思っているような気がするけれども、今年こそ過去最高に激動の1年だった。
ドラマチックな仕事をさせて頂いているなと思う。有難い事この上なし。
さて、全体的に組み上がってきたファイアボールSGだが、マシーネンというのは本当に面白い。
動力に影響するんだろうな、というようなチューブや兵器の出力の為に必要と思われるチューブ、これ実はバネで出来ている。
中にケーブルを通して動きを多少はつけられるようになっているのだけれども、いやしかしこういう部品があるとテンション上がる。このバネは接着すると胴体と脚部が分割出来なくなるのでどのタイミングでしようか迷っていたけれども、結局最終的には間接もガッチガチに固定して台座に固定するつもりだし、胴体と脚部が一体となっていても塗装にはそこまで差し支えあるまいと判断。下地が塗り終わった段階でバネ類を接着したのだった。
さて、実はここまでの工程で「部品が恐ろしく細いし巧く固定出来るか危ういし、ま、いっか」と取り付けを省いたアンテナ部品があったのだけれども(いや本当に恐ろしい程細いんだよねアンテナ部品。これでちゃんと強度出るのだろうかと訝しんだレベルである)後々、その点が徐々に気になってきた。
ファイアボールSGは設定的に宇宙用の機体であるらしく、そうなってくるとアンテナがついているのも宇宙仕様だからなのかなとか考えちゃうと省かない方が良かったかなと思うのが人の性。でもやっぱり強度がなあと思っていると他のキットの製作記録で真鍮線を使って細い金属部品を自作した方の記録をたまたま読んだ。真鍮線、か。アンテナの細い部分を真鍮線に置き換えれば強度も結構出てくるのではないだろうか。
思い立ち実家の父に連絡。
僕「真鍮線持ってる?」
父『あるよ。何mm?』
僕「おっと。何mmがあるの?」
父『色々あるぞ。ちょっと待ってろよ(電話の向こうでゴソゴソいう音)えっとこれが0.8mmでこれは0.3mmか』
僕「そもそも細さを数字で聞いてもピンとこないな…。見に行きます。分けて貰えますか?」
父『いいよー』
前述の乾燥ベースを貸してくれた父、実は模型製作についてはかなりの腕前である。
僕が実家を出た後、僕の部屋は父の模型部屋になっており部屋に入ると一面積みプラモと完成した戦闘機や軍艦、そして組んでいる最中の帆船模型(これはまるっきり小さい木造帆船を組み上げるのと同じだと思う。骨組から作ってるもんな)がそこかしこに散乱(必要なものをすぐに取り出せるところを見ると父の中で規則性はあるようだ)しており、完成した作品を見ればその腕前、製作数が人並みでない事が素人である僕にもはっきりと理解出来た。
何なら工具も塗料も全部父が持っていただろう。しかし何故かこの段階まで父に頼るという発想は全くなかったのだった。「早く手を動かしたい」という熱量に突き動かされていたが故だろう。
真鍮線については年末の挨拶を兼ねて大晦日に実家に貰いに行く事になった。