ロシアンマフっていうの?SOVTEK BIG MUFFっていうの?それともBIG MUFF russianで合ってるの?この時期のって何ていうの?

今から10年前、20歳の頃に無垢な憧れを抱いた当初からそれ以外にも様々なファズを使ったり試したりした今日に至るまで、ずっと僕の心の中にはビッグマフという存在がある。
そりゃあ使わずに演奏した時もあるよ?だけれども新しい曲を試す時、何故だかその時の自分の音にしっくりこない時、レコーディングで足元を厳選する時、転換時間に余裕がなくフレキシブルな対応を求められる時、様々な局面でその都度その時に「ハマッて」いるビッグマフを持ち込んでは(ちなみにここ数年はずっとモディファイされたベースビッグマフばかりである)「やっぱりこれ、これだよ」とニンマリしてその信頼性を強化されたり、時々は「うーん今日はこいつではないな」と選から漏れたり。
極論してしまえば概念的には「オクターブファズとビッグマフ」で自分の中の「ファズ」という概念の6割、いや7割は占められている気さえするのです。ビッグマフという数々の演奏者の出音を彩ったアイテムに対する憧れも含めて。
とはいえ、今やビンテージペダルの仲間入りした感さえあるアーミーグリーンのビッグマフをロシアンマフ(黒)とベースビッグマフと比較した結果(その時の記録がこちら)「やっぱりベースビッグマフが一番」と売っ払ってしまった事さえあるので「私はビッグマフキ○ガイ、あるいはビッグマフコレクターです」みたいな事は言うつもりはないし、そりゃあJ・マスキスみたいにビンテージペダルが並んでる店に入っていって「ここからここまでのビッグマフ全部下さい」とか言ってみたいけどさ、それとこれとは話が別ってもんだよ。

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右が今回手に入れたロシアンマフ。

で、SNSがきっかけで手に入れた壊れたロシアンマフを修理に預けていたのだけども、先日無事に修理及びお願いしていた改造が完了し、受け取ってからというもの楽しくなって何度か鳴らしていたのだが感想を書いておく。
古いビッグマフは個体差が激しい、それどころか同じ音がするものは二つとないのは有名な話だけれどもロシアンマフについてそれが当てはまるかは定かではないものの、外見からして明らかに僕が知っているロシアンマフと違う(筐体の質感が違うしネジでの蓋の仕方も違う。一見同じなんだけど)今回のブツ、果たして出音も僕の知っているそれとは微妙に異なっていた。
比較に使用したのは今となっては生産完了品となってしまった、僕くらいの世代の人間ならば普通に手に入れる事が出来た最高期の黒マフ、ロシアンマフである。
まず歪み方で言えば今回のブツの方がゲインが高い。サスティーンツマミを0にして比較しても明らかに差がある。トーンコントロールについてはさして差は感じなかったけれども、歪んだサウンドの毛羽立ち具合というかエッジというか、古いものの方が切れ味がある。比較したロシアンマフより今回のものの方がジリジリいいます。
音の壁を作る、みたいな使い方も良いのだけれども自分自身一番しっくりきたのがサスティーン0にしてトーンも下げ目、ボリューム上げて甘めに歪ませるみたいな使い方。ロシアンマフの美味しい感じと扱いやすさの丁度良い着地点を目指したところ(こういう発想があるあたり僕自身、ビッグマフキ○ガイではないなあと思う)そういう使い方に落ち着きました。低域のモリッとした感じも音抜けも現状特に不満はないです。
LEDは「眩し過ぎるくらい明るい白」に取り換えて貰い、アダプターが使えるようにジャックもつけて貰った。電池をいちいち入れ替えたり残量を気にしながら使うのが億劫な身としては今回の改造、非常に有難い。
黒マフのツマミって大きい割にすぎに回るから、踏んづけ方によってはすぐに回っちゃう。そこだけどうにかしないといけないけれども(こういう時にガムテープとか透明テープって物凄く便利だな、と思う)、非常に使いやすいし音も気に入っているので何かと重宝しそうです。
お気に入りだったベースビッグマフともキャラクター、操作性で差があるので比較して売っ払っちゃったりもしないと思う。
耳が肥えたというか違いがわかるようになったのか、昔の比較も怪しいもんだとちょっと思っちゃってるもんな、僕。古いロシアンマフも色々触ってみたいなと思います。コピー品も沢山出回っているので機会を見つけて弾き比べしていきたいな、と思う程ロシアンマフに興味がある。
そういったきっかけをくれた一台としても有意義だったと思う。

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