不完全密室殺人は現在2パターンの編成で動いている。
22日のイベントのための通常編成。不完全密室殺人本陣たる最小にして基本の山田 各務 舟橋 神田の4人である。専らこの4人で活動しているのでやはり不完全密室殺人というバンドの最小単位は現状この4人編成であると断言できそうである。
バンドとしての機動力(それらはバンドとして動く際、スタジオからミーティング、ライブから遠征まで全てが含まれる)はこの編成が最も高く、この編成で演奏する事が大前提であり基軸となる。
それに対して先頃発足(というか定められた)のが不完全密室殺人 連隊編成。過去にほそちん氏や伊藤誠人を迎えて行った公演も広義ではこの編成に含まれるのだろうか、不完全密室殺人の不定形な側面(忘れられがちだが最初期の頃のこのバンドというのは、神田佑介加入までドラム奏者を定めず、まさしく不定形のバンドとして活動しようと計画していた)を強く打ち出したこの編成は、幾つかの“小隊”と呼称される(軍隊めいたこの呼称は、我々の活動における精神性と照らし合わせても言い得て妙であるがそれについては後述)集団から構成される。
小隊の集合としての連隊。
機動力は通常編成と比べれば著しく劣るが、表現力という観点で語るとすれば、それは通常編成とは全く違った次元に属する(どちらが優れておりどちらが劣っているか、をここで決める気は毛頭ない。どちらも優れておりどちらもそれぞれの表現をしているという意味では優劣つけれない事柄ではある)。
演奏に参加する人数が人数だけに、規律ある、理路整然とした、計画性のある運営が求められるのが特徴の一つだろう。通常編成はその構成要素の少なさとそこから起因するメンバー間の密着度故に言外の、ニュアンスで運営されている部分が少なからず存在する。人間性と信頼関係に基づいて運営されるそれは、組織の形式をとってはいるものの学校におけるクラスメートのそれに近いものがある(何て事はない、通常バンドというものがやっているそれだ)。だが連隊編成ではそれでは行き届かない瞬間が必ず発生する。たまたま気心の知れた表現者を迎え入れる事が出来たが、連隊編成の不完全密室殺人は本質的に組織然としているべきであり、またそこは各小隊を指揮する4人の才量が問われるところである。
どちらも“運営”ではあるのだが、根っこにあるものは同じであれど過程に差異が発生する。通常編成を基本とした発展形式で連隊編成は運営されると言っていいだろう。
お披露目の時はもう少し先になりそうだが、期待して頂きたい。どちらも不完全密室殺人である事に違いはないのだから。
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