バンドをやっていると様々な業種の方々とお会いしたり関わる機会があってそれが僕にとってバンド活動の面白さの一つになっている。
そんな中でもカメラマンという方々はアーティスト写真やライブ写真の撮影等、関わる機会が少なくない。色々なカメラマンの方にお会いしたけれど、皆さん一様に美学やこだわりがあって何というかその人の色というか匂いというか、そういうのを写真から感じる。それはもうただの「記録」じゃなく「作品」なんですね。
昨夜はJONNYを通じて出会い、JONNYでお世話になり(アーティスト写真は勿論、アルバムのジャケットやブックレットの写真まで!)不完全密室殺人のアーティスト写真の撮影もして下さったNATSUMEさん の個展「不鳴不翔な写真達」が一宮のRockBar「HUNNY-BUNNY 」で行われているとの事で柴山社長(ONE BY ONE RECORDS )と出掛けてきた。
「ところで社長、俺、バーって物凄く久しぶりですし何であれば行き慣れてないんですけど」
「え、俺もだよ」
「こんな薄汚い格好ですよ俺!」
「え!俺も普段着だよ!」
お店の真ン前で早速はしゃぐ二人。もう既にワクワクしているのが上記の会話からも伝わってきますね。
HUNNY-BUNNY、友人達のツイートやブログで凄く良い所だと聞いていたのだけれども、入った瞬間に社長と声を揃えて「うわあ…!」って言ってしまったよ。奥に長い店内、そしてカウンターの奥には大量のボトルとレコード。スピーカーからは会話の邪魔にならない範囲で、しかし自宅ではなかなかここまで大きくは出来ないだろうって音量でロックが流れている。
そして壁には額に入れられて飾られたNATSUMEさんの作品達。
この一枚も凄く佐藤さんのキャラクターが伝わってくる。っていうか他のカメラマンの前では佐藤さんはきっとこんな顔はしないだろうし、ここまでリラックスも出来ないんじゃないのかな。この一枚からもわかるけれど、NATSUMEさんの写真はカメラマン NATSUMEさんと被写体の関係性が伝わってくる。
NATSUMEさんはきっとこんな感じでシャッターを切ったのかな、とか想像しながら観るとまた楽しい。
レコードサイズに加工され、普段は名盤が並んでいるであろう場所に並んだ作品達。一番左上はJONNY。これはね、相当グッとくるよ。写真を一枚一枚観ながら社長と並んで座ってソフトドリンクを飲んで流れてくる音楽に耳を傾けて(体感してしまったんだけどレコードを良いスピーカーで聴くと音が全然違うのね。Beatlesの『嘘つき女』のファズベースがあんなにブリブリしてて引き締まってるだなんて僕は知らなかったし、音楽全体の立体感も全然違うのね。衝撃的だったなあ)話をする。相当贅沢な時間を過ごしてたと思う。
中途で「楽しんでる?」と声をかけて下さったNATSUMEさんに「凄いですね!NATSUMEさん、この個展愛情しかないじゃないですか!」と興奮気味に話すと、相変わらず普段通りの飄々としたテンションと口調で「あ、ばれた?」って、NATSUMEさん格好良過ぎです。
でも本当にそうだった。写真一枚一枚に被写体への愛情と作品への愛情が満ち満ちていた。
そうそう、忘れてはいけない、個展の名の由来についても書いておかねばならない。以下、カウンターに飾ってあるNATSUMEさんの挨拶から抜粋。
"タイトルにある「不鳴不翔(ナカズトバズ)は「鳴いたり翔んだりしなくても地に足を着けてブレずに強く生きる」という意味と漢字を、夏目が勝手に付けたキラキラネームです。(中略)被写体に誰もが知ってる有名人はいないかもしれませんが、自分の生き様に自信を持って生きているカッコイイ人達です"
それってそのままNATSUMEさんじゃないですか!もう完全にヤラれちゃった。
そして、本当に驚いたし嬉しかったのがこの一枚。
「展示してある作品の中では一番古いかもしれないなあ」とこれまた飄々と仰ってたけど、それを聞いて更に喜びが増しました。この写真を撮影して頂いた時の事をまざまざと思い出した。山田君が住んでいた半ば廃墟みたいなビルの空き部屋(ビルのほとんどが空き部屋だったけど)に機材を持ち込んで頂いて、色々とアイディアを出して頂いて我々も大いに楽しんでの撮影だった。ここ でそのままを観れるので、改めて是非ご覧になって頂きたい。
JONNY企画の打ち上げで鶴舞DAYTRIPで初めてお会いした日からJONNYのアーティスト写真撮影をして頂いた日 、TIGHTROPEでのNASTUMEさんの個展でJONNYで演奏した日 、ライブ中にふっとギターアンプの後ろを見たらNATSUMEさんが潜んでシャッター切ってて驚いた日、NATSUMEさんの結婚式の二次会で「Helter Skelter」を演奏した日 、色々な瞬間を思い出したなあ。
HUNNY-BUNNYという素敵な場所とNATSUMEさんという素敵なカメラマンが共に作り上げた素敵な個展、時間だった。
NATSUMEさん、HUNNY-BUNNYさん、素敵な夜を有難うございました。
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