久しぶりに役者をやった話。

ゲボゲボの公開稽古で上演する作品への出演オファーを田中さんから貰ったのは2週間くらい前だっただろうか。
「劇団の公開稽古で作品上演?」と当然最初はなったけれどもなんでも「今後のために役者、スタッフ陣も作・演出を経験した方が良いのではないか」というゲボゲボ内での話し合いの結果、2週に分けて3組ずつ、作品を上演する事になったそうだ。
で、田中みなさんの作品への出演オファーを貰ったというわけ。
田中さんはまたは田中名義でも活動されており、そちらの作品は幾つか拝見した事があったのだけれども、今回送られてきた脚本がそのイメージとはまた違ったものだったのね。
結構ファンシーでストレンジでファニーな印象(あくまで印象だけども)のまたは田中作品に対して今回送られてきたのは日常を切り取ったような会話劇。
「ようしワチャワチャやるぞ!」と意気込んだもののその想定外に結構面食らった。しかも僕の役、台詞量が物凄く多い。

顔合わせから田中さんとのトークセッションを経て「流れを入れてあとは自分の言葉で喋る」のが作品の意図的に一番しっくりきそうなのでそういった心持ちで稽古に臨んだ。役者経験はほぼほぼないながらも稽古の時にアドリブで脚本から離れれば離れる程良い感じに作中の「大学生がダラダラと雑談している空気感」みたいなものが立ち上がってきているような感じがあったのでそういうところとか、結構発見があったなあ。用意された台詞を「台詞」として発しないための工夫は幾つかあるのだろうけれども、今回の役はアテ書きしたのかよってくらい僕自身の人柄と近くて(実際そうでもなかったそうだ)「ああ、この流れならこういう事言うよな」と違和感なくやる事が出来た。というか違和感なさ過ぎて本当に演技しているって実感がなかったもんな。一度ちゃんと演技、してみたいのだけど(今まで何度か演劇作品に呼んで貰った事はあれど、ベーシスト役だったりやっぱりベースギターとセットだったり采配として結構自由にやらせて貰ったり、どこか素の感じでいけちゃったり何だろう、自分とかけ離れた存在を演じるというか『さあ、演じるぞ!』みたいな経験がほとんどない。そりゃまあ、僕はバンドマンだから自然な使われ方なんだろうけども)、でもこれはこれは面白い。自分自身を演じる感覚、だったのかもしれない今回は。

今回「田中組」となったのは田中さんと同じくゲボゲボの岩瀬君、晴天満月のあやたかちゃん。
グッと年下の彼らと同年代の設定って果たしていけるのかどうなんだ田中さんこの点だけで俺はアウトじゃないのかと思いつつ、その点でのツッコミは今のところ耳にしていないのでセーフだったのでしょうと勝手に納得している。
公開稽古、という事で見学者の方も数名いらしたのだけれども、通常の公演と違ってその方々とも距離感近目でコミュニケーションもとらせて頂いて、ウン、面白い時間を過ごしたなー!

他の出品されてた川北君の落語、小池君の即興芝居もそれぞれ10分程度の小品なれど、発見があった。
そもそもゲボゲボ団員同士のための(もっと極論しちゃえばこれって作・演出の小池君のための機会だったのかもしれない、とふと思ったよあたし)場だったのに結構僕自身、得難い経験させて貰って声かけてくれた田中さん本当に有難う。
また、面白い経験が出来ました。

2015_08_09_gebogebo
この日の記念写真ね。

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