久しぶりのちくさ座での演奏なのであった。

この日は鈴木実貴子ズ企画『心臓の騒音』という事でちくさ座(というより個人的に千種文化小劇場といった方がしっくりきてしまう)にてワンマン公演であった。

千種文化小劇場での演奏は一番最近の機会でもこの日なわけで、何ともう6年ぶり。
その前でもこの時で「いや記憶の中では4年くらい前だぞこの時」と自分の時間間隔のおかしさに辟易としてしまう。この辺は年齢を重ねた関係もあるのでしょうかね。
ともあれ、前述した2公演はいずれも舞台上ではない、いってしまえばイレギュラーな場所での演奏であったわけで実に舞台の上での演奏となると遡る事約12年、この時以来となるのであった。

12年前の不完全密室殺人での千種文化小劇場での演奏は忘れもしないHOIPと龍宮ナイトの共同企画『うずうず』での事だったのだが、朝一番の演奏という事でついつい気合も入り興奮もしてしまった僕達バンドのメンバーが舞台に傷をつけかねない演奏をしてしまったのね。興奮状態のメンバーを止めるにはやむなしという事で当時の舞台監督が半ば力づくで鎮静して下さったのだけれども、12年の時を超え、この日の舞台監督は当時の舞台監督様。
『うずうず』での一件は一見穏やかでない感じにもなってしまったのだけれども、当該メンバーと舞台監督様はその後打ち解け、親交を深めたというのだからご縁というのはどこにあるのかわからない。この日、会場入りして程なく、やはり『うずうず』での一件に話題が及んだのだけれども、時を経てこうしてあの場所でまた舞台に立つ事になるとは、これは完全に個人的な話になるけれども大層ロマンを感じる出来事である。


妻が撮影してくれた。当日の様子。
舞台監督のみならず、多くの人のお陰で成り立った一日なのである。
この日を迎えるまでスタジオに入ってセットリストを何周も練習したりはして備えていたのだが、それでもやはり緊張はするしともすれば不慣れな環境での演奏にストレスを感じ得る可能性もあっただろうに、適度な緊張こそすれども快適な環境で演奏出来たのは関係各位のお陰である。有難うございました。


樫山君(あたらしいまち/白線の内側)が写真を撮ってくれた。
有難い事に鈴木実貴子ズのサポートでは、結構長い時間の演奏に臨む事も増えてきた。毎回「いざ始まればあっという間なんだろうなあ」と思うのだけれども、今回はいつになくあっという間に終わってしまった。演奏をゆっくり楽しみたい、丁寧に楽しみたい、という気持ちがあるかと言われればそんな余裕もない程一生懸命演奏しないといけない体たらくではあるのだけれども、それでももう少しあの時間を味わいたいと思ったのであった。


常連さん撮影。ご本人から掲載許可を頂いた上で失敬しております。
いつになく躍動感溢れる写真で、サポートギター各務君と同じような挙動をしており笑ってしまった。
全く、この日はいつになく興奮して演奏したものである。

大きな舞台で、単独公演に臨んで、いってしまえば節目となるような機会であろうとは思うのだけれども、もう気持ちは次に向かっている。有難い事に休む時間はなさそうである。サポートメンバーとして声をかけて貰える間は一生懸命頑張ろうと思う。