地下鉄。

地下鉄は一日に必ず二回は乗る。そして今も乗っている。
うとうとしていたと思ったらふと目を覚まして世界を疑うようなまなざしで周りを見回して再び寝入る女性、何が不機嫌なのか眉間に皺を寄せて刺々しい表情をしている事によってせっかくのお洒落と雰囲気がミスマッチになってしまっているフリーター然とした女性、白い鞄を膝にのせてウキウキ気分な男性、一心不乱に本に目を落とす男性。

周りを見回しては目にした情景を携帯電話に一心不乱に打ち込んでそれらしい日記を捏造しようとする青年。

あ、それは僕だ。