2025年の大晦日、僕は三重県志摩市和具浦という漁港町にある妻の父方の生家にいた。
前日30日、仕事納め直後に妻が職場近くまで迎えに来てくれ、そのまま和具浦までひた走ったのだった。
到着するのは夜中になると想定していたのだが約2時間30分で到着した。
この義父の生家、単身住んでおられた妻の祖母が数年前に亡くなられて以降は義父が月に数度畑の手入れに足を運んでいるだけである。しかしながら義父が泊まり込みで(何せ片道2時間半だ)足を運んでいる折に家の手入れをし、今回義父義母、僕達、妻の双子の姉一家が数泊するという事で事前に義母が準備しておいて下さったので大変片付いており、年の暮れをゆっくり過ごすには十分な用意も整えられているのだった。感謝感激。
そればかりか義父も大変はりきって美味しい魚や良い和牛肉、手こね寿司(を用いた炒飯。生魚が苦手な義父のお姉さんが、それでも手こね寿司を食べられるように考案した料理との事。手こね寿司を紅ショウガと一緒にバターで炒めて塩コショウで調味する料理なのだが、寿司を炒飯にするという調理工程から想像する50倍は旨い)等を用意してもてなして下さる。
僕はここで過ごす間は体重という概念を忘れる事に決めていた。そんなもの気にしていられない程旨いものばかりなのであった。
この日も起床するなり地元のスーパーで買った魚の切り身を刺身にして下さり「いやこんな旨い魚が普通に売ってるだなんて何て羨ましい!」と声にならない叫び声を上げながら大いにかっ食らった。その後出てきた焼き魚も滅茶苦茶旨い。
箸を止まらずに動かし続けていると義父が姿を消し、ふと見ると庭で炭火を起こして貝を焼いて下さっているのだった。
太らせて、食うつもりかと妻は冗談を言うがいやはや、本当に太るの不可避。1年分の旨い海産物をここで食わん、という意気込みで臨んだ。
食後の腹ごなし兼車に荷物を取りに行くため、1人で義父の生家を後にした。

車は義父の生家から歩いて10分程の定期船乗り場の近くに停めていた。
大晦日なので漁船は勿論出ていないし、地元の方ともあまりすれ違わなかった。
最寄りのコンビニまで車で10分、イオンモールなんて車で30分以上走らないとないのではなかったか。
静か、である。
このシチュエーションで気持ちが和らいでのんびりしない人間がいるなら会ってみたいものだ。

少し足を延ばして志摩郵便局を見に行く。
勿論窓口は開いていないけれどもATMコーナーは利用出来た。
テクテク歩いていると義姉から入電。「娘(長女)が散歩に行きたがっている。時を同じくして夫と娘(姪、である)は浜辺に出掛けようとしているけれども、良かったら合流して一緒にどうか」との事。
勿論、行く。
車で10分程走ると海に出る。
駐車場から歩いて砂浜に向かう途中、海中地蔵があったので参拝したりのんびりのんびりと歩いて行った。
ここの街並みも車が通れないような細い道で、両側には古き良きと形容して良いような民家が立ち並んでおり、ちょっと名古屋の近場では見かけないような街並みで楽しかった。
紛れもない旅情を感じていた。
浜辺で貝を拾ったりしつつ散歩を堪能、義父生家へ戻ると程なくして夕食となった。
しゃぶしゃぶ、である。恐らくは三重県産の良い肉を鍋でしゃぶしゃぶしてじゃばらポン酢で食べる。
べらぼうに旨え。
「孝裕君、どんどん食べなさい」と勧めて頂けるものだから遠慮容赦なく食らう。
魚も美味いが肉も美味い。勿論鍋も美味い。
そうこうしていると義父が貝柱やエビをフライにしてくれる。ソースなんかつけなくても揚げたてをそのまま食えば丁度良い塩気で十二分に旨いのだった。揚げたそばから皆がどんどんつまむのでなくなるのも早い。
大いに食らった。
紅白歌合戦が始まって落ち着いた時分、義母の企画したビンゴ大会が始まった。
事前に聞かされてはいたけれども豪華景品有の大人も子どもも楽しい本気のビンゴ大会である。
こういうので買った記憶がほとんど、ない。しかしながら今年はいける気がする、と根拠のない予感を胸に娘(長女)がスマホアプリで選出された番号を告げるのに耳を傾ける。
何と義母と姪と同時にビンゴ。2位を巡ってじゃんけん大会、珍しいな舟橋、大勝利!
順位をひっくり返すチャレンジカードが仕込まれており、最後まで大盛り上がりでビンゴ大会を終えた。
勿論、2位は頑張って死守した。

1位を死守してご満悦の妻(最高の笑顔ver.)。
子ども達を風呂に入れ、あとは適当に大人達が風呂に入っていく。
22時を過ぎた頃に妻と2人で近所のコンビニに出掛けた。欲しいものも特にあるわけではなかったが、何となく前にここで年を越した時もそうした気がしたので妻を誘ったのだった。

2025年も色々な事があったね、と1年を振り返りつつ妻と車まで歩く。
コンビニに向かうまでの間にマックス〇リューが出来ていたので、そこに入る。
大晦日の閉店間際のマッ〇スバリューでお菓子やジュース、義父用にお酒を買い込んだ。
これだけ食べまくっているのにスナック菓子は食べたくなる。人間の欲求に限りはないんだな、と思いながら2025年も暮れていくのであった。
関係各位、今年も1年お世話になりました。
2026年も何卒、何卒宜しくお願い致します。
