気付けばミニアルバム、残り30枚をきっていた。

不完全密室殺人の6月分公演も残すところあと1回となった。前々回の更新にて大阪公演について記述した。今日は先日行われた名古屋は新栄クラブロックンロールでの公演について記録しよう。

今回の公演は去年12月、トイロ×Hyd Lunch企画で行った「ミケと私の物語」というエピソードの再現、否、再構築である。そもそもの発端は我々の欲求に始まる。伊藤誠人は我々が感ずるに、現状不完全密室殺人のサポートキーボーディストとして最良の人物である。表現力、音への拘り、ライブパフォーマンス、そして破壊力それらの全てが我々の求めているものであり彼の備えているものである。以前サポートして貰い非常に心地良く演奏できた我々が彼と再び演奏したいと感じるのは当然の事だろう。
我々はオファーを出し、彼は引き受けてくれた。ならばという事で脚本も前回彼が参加した際のものを下敷きとする事になった。およそあのエピソードほど感情移入できる脚本は数多くはない上に、「ミケと私の物語」を再演するには伊藤誠人の参加が不可欠なのは明白だったからである。
半年振りの5人不完全、誰よりも我々が楽しみにしていたであろう当日がやってきた。
共演はPIGGY、Romany Jade、ザ・フロイト。非常に濃い。何かのイベントかと言いたくる程の濃さである。

この日のライブは不完全密室殺人始まって以来の流血沙汰となった。しかも血を流したのはメンバーではなく、サポート参加の伊藤誠人だった。本番が終わるまで気付かなかったのだがスパークした彼はキーボードに頭を思い切り打ち付けたらしい。不慮の事故だった。傷は意外に深く、打ち上げの際にも血が流れていた。

この一件に端的に表現されているように、気持ちの上ではガツン!と演奏できた。ただ残念な事に気持ちだけであったのも事実。一体感という点ではまだまだ及第点は我々自身下す事ができない。ただただ今後も精進するのみ!

さてはて非常に濃かった対バンはどうだったか?
出演順に記していこう。

Romany Jade。1曲目の歌い出しから「ヒロシマは平和都市じゃない」という歌詞にやられる。メンバー全員風貌は素朴な好青年といった風でありながら(事実お話させて頂いた感じ、人当たりの良い誠実な印象を受けました)曲調が多分に怪しげ、不穏。“夜”という印象を受けた。忘れられないバンドになりそうだ。
続いてPIGGY+北村くん。カワノくんがキーボードを弾いていた。色々できる人は羨ましい。マッチの可愛さに目が釘付けになる。個人的に最高に好きなオーラ。ドラムをバカスカ叩き出した瞬間の快感は得難いものだなあ。
てか観ていない間に相当アヴァンギャルドになっていた。曲も相当にブッ飛んでいる。他の不完全メンバーも大いに楽しんだ様子。

トリは大丸ラーメン前でたまに会うザ・フロイト。演奏を開始する前に音源の告知をしてしまう所に「今夜もガッといくのだな」と期待が高まる。前回共演した時よりも圧倒的な凄み。気迫みたいなものが演奏から伝わってくる。演奏の熱量、キレも確実に前回共演した際より上。物珍しいバンドだなという印象だった前回、そしてシッカリ聴かせた今回。お客さんにも好評だった様子。
余談だがヴォーカルギターのケンゴさんは僕より年上なのに丁寧で温厚。かくありたい。

結局、自分達の出番が終わった後は完全にお客さんとして楽しんでいた。全バンドしっかり観れたのは久しぶり、と思ったらそれは出番が1バンド目であったからに他ならない。普段は準備等でなかなか落ち着いて観られないのだ。どのバンドも悔しくなるくらいに個性の塊であったが故に、この日名を連ねられて良かったと感じる。お客さんとして来ていたら欲求不満を感じていたに違いないからだ。

打ち上げは、総勢10数名という小規模ながら盛り上がった。むしろ規模としてはあれくらいの人数の方が落ち着く。振り返ってみても良い一日だった。

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