淡路島での三日間。

ef154412.JPG合宿中にバンドの様子を記録出来たら、と考えてはいたものの、不特定多数の人間の目に触れる事を慮ると不誠実な記録を残すわけにもいかず(また、このブログに対する思い入れもそこに影響している)、ついつい合宿の報告をこのタイミングでする事になってしまった。

では始めよう。

出発当日は台風4号が接近中とあり、道中も天候は不安定であった。淡路島へ入ってからそれは顕著で、激しく降る雨と霧に運転者は苦しめられただろう。僕はと言えば車内DJにかかりきりだった。
台風によってホテル内に缶詰状態になるのは確実だった。コンビニエンスストアを探して奔走するもなかなか発見できず、食材やらアルコール飲料をどっさり買い込み籠城の準備が出来たのは実にホテルを発見してから一時間程経過してからだった。

ホテルに入り、部屋に案内される。至る所からこのホテルが実にしっかりしたものであると感じさせられる。従業員の方々の気配りに接客され慣れていない僕はかえって恐縮してしまうぐらいであったけれど、感激もひとしおだった。

雨と風がひどくなる前にスタジオに機材を移し、風呂で道中の疲れを癒す。大浴場は瀬戸内海に面しており、天気さえ良ければ絶景が一望できるのだろうけれど生憎の天候のせいで僕がそれを目にしたのは翌日の朝になってからであった。

そもそも何故淡路島での合宿を挙行したかと言えば、楽曲製作の為である。名古屋で曲のきっかけを掴んでおいたり、または山田康裕氏がベーシックとなるものを作ってきてはいたものの、まさか2曲も出来上がるとは誰が想像しただろうか?目標は目標であって、掲げたもののよもやあそこまでスムーズにいくとは思いもしなかった。これは我々のモチベーションと、素晴らしい環境によって成し遂げられたのだろうと確信する。

我々は常日頃から時間に追われている。表現者であろうとなかろうと生活を送る者にはついてまわるのが時間だ。我々は淡路島で生活する事で、時間から開放された。焦りはなくなり(煮詰まったら気分転換として海を見に行ったり昼寝したりした)、それは贅沢なスタジオの使い方(一度演奏してはすぐにロビーでミーティング、といったような)を可能としたし、慎重に事を進める事が出来た。

スタジオ機材も良質。レコーディングスタジオとして使用されているのが納得できる音の広がり方でお互いが何をやっているか聴きとりやすかった。

初日と二日目、それぞれ非常に満ち足りた気持ちで眠りに入る事が出来た。表現活動を、音楽を具現化した喜びは何物にも代えがたい。そして新たに形となった2曲は不完全密室殺人というバンドの世界観の新しい局面を伝えるとともに、バンドの内包するものをより深化して伝えるものとなるだろう。

最後に。
今回の合宿は仕事を通じて知り合えたベーシスト氏と、ホテルの社長氏、このお二方のご好意がなければ実現し得なかった。
本当に有り難うございました。

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