白線の内側の練習だった。
先日の会合を踏まえて新曲を視野に入れつつ、サラリと既存曲を通してみるつもりが色々楽しくなってしまってそちらに熱が入りがちだった練習となった。悪い事ではない。
ChatGPTに「不安定な未来」というテーマを提示、テーマに沿ったコード進行を提案して貰い演奏するという実験をしたところ、レディオヘッドみたいなコード進行を提案された。うん、確かにテーマから逸脱してはいないなと思った。
創作活動に於いてAIを用いる事の是非についてはこの際に論じるつもりはない。しかし、フィジカルを伴うが故の実在感だったり人間であるが故の『合理的でない』思考が演奏に浪漫と漸進性をもたらすのだと僕は信仰している。その立場であるが故に『人間にしか成し得ない事』『AIでないと出来ない事』については十分に考える価値のある、面白いテーマだと思っている。
AIという楽器、か。
スタジオ練習には新しいペダルを可能な限り最低1つは持ち込むようにしている。
思わぬ発見や刺激を生むかもしれないし、何より面白いからだ。
この日はEarthQuakerDevices Tentacleを持ち込んだ。ノブがなくスイッチしかないペダル(下段右から2番目)である。
原音にアナログ回路を通じてオクターブアップした音を付与するペダルなのだが、こういうペダルって音が引っ込みがちだったり妙に地味だったりする事があるけれども、Tentacleはさにあらず。
オンにした瞬間にむしろ音が前にせり出してくる。オクターブアップした音を付与しているので存在感がグッと出るのは当たり前だけれども、その音がまとまり良く、また小気味良い。如何にも加工した音ですよという感じがないのはアナログだからか。
オンにした状態でディレイやリバーブをかけてアンビエントっぽい空気感を出す演奏をしようかと思ったのだけれども、意外や意外で音が前にせり出すので音量的な部分で手元のコントロールにいささか気を遣った。
以前、Tentacleにボリュームを増設した改造個体をSNSで見た事があるけれども、成程、こりゃあボリュームはあった方が扱いやすいのかもしれない。
この日はオクターブアップを足した状態でファズをオンにして歪ませたりした。変に破綻せずに良い感じにエレキギターの領域に肉薄した。いや、この表現はペダルに敬意がないかもしれないな。
では歪みの後段だとどうなるんだろう、ボリュームペダルを前段に繋ぐとペダルの挙動はどうなるのか、そして以前も日記に書いているけれども、ブレンダーを通したりすると今僕の頭の中で鳴っている音は鳴るのだろうか、等興味を刺激されるペダルである。
近々研究を重ねようと思った。