白線の内側で新栄CLUB ROCK’N’ROLLに出演

7月23日、ライブの為に有給休暇を取得していた。と何度目かのこの書き出しである。
娘(長女)を送り出し、かかりつけ医の先生に先日の血液検査の結果を訊きに行くと自宅に1人戻ってきた。

この日は白線の内側のライブである。
我々、今回からチケットを予約して下さった方にはライブ当日、会場で予約特典をお渡しするという試みを始めた。
今回のライブではスタジオ練習を録音したCD-Rが特典であり、かしやま君が音源のミックスを、僕がライナーノーツ(っぽいもの)を書く事になっていた。この試み、白線の内側の『現在進行形』を気軽に我々に関心を持って頂いている皆様にお渡し出来ないかというところから発想がスタートした。かしやま君と僕が中心で進めると決まった事までは良いものの、やっぱりなんだかんだで凝り性だもんだから自分がやる事に関しては変にこだわってしまう。
「ザッと殴り書きみたいなライナーノーツでも楽しく率直に書ければよいじゃあないか情熱は伝わるであろう」と思ったものの何だかんだで下書きをして推敲をし、「紙切れ1枚で済ませるのも味気ないな」と工作が得意でもなければセンスもあるわけではなかろうに色画用紙を用意して台紙にしようと、そういうところまで思いついてしまったのであった。
コツコツと手を動かして当日、仕上げをライブ会場入り前にする事に決めていた。


こういうのが嫌いだったらバンド活動なんてそもそもやっていないんじゃなかろうか、とさえ思う。
チケット予約数よりも多めに作って(何だかんだでメンバーも欲しがった。自分達自身に関心があって良い事である)、あとは会場入りしてから樫山君が大量生産してきたCD-Rと合わせて完成である。

予想よりも早く作業が終わったので昼食前に軽く模型製作に着手。気になっていたところの修正作業をして完成、というところだったので時間こそそこまでかかりはしなかったが、最後の一手を良い感じに入れる事が出来て大満足。
この日は妻が車を使うので、僕は公共交通機関&徒歩で会場入り。早めに家を出る事にした。


この日も激烈に暑かった。
気合いを入れて組み直したペダルボードとベースギターを背負っての地下鉄移動、しかもこの炎天下なので絶対に汗だくになる。少しでも体にかかる負担を軽減出来ないか思案し、ペダルボードが入ったケースを体の前面で背負い、その後にベースケースを従前通り背負う事にした。ペダルボードとベースギターにサンドイッチされるような形で地下鉄の駅までテクテク歩いた。
随分とシュールな見た目ではあったはずだが「何やってんだこいつ」という目で見られる事もなく、しかして汗は予想以上に流れる事となった。
暑くていかんですよ。かつてはこれくらいの機材であれば背負ったりどうにかしたりして自転車移動していたものだけどな、とこれは年齢的なものよりも、もっと便利な自動車移動を覚えた事による弊害かもしれないと思い至る。
不自由はかえって自由なのかもしれない。


新栄CLUB ROCK’N’ROLLに出演。
新栄CLUB ROCK’N’ROLLでベースギターを弾く事自体が滅茶苦茶に久しぶりである。ご無沙汰してしまった。
かつては意気揚々とベースアンプヘッドを持ち込んでいたが、この日は常設のマーシャルのアンプヘッドを使用。
ペダルボードで音作りの7割くらいは出来上がっているので、あとは現場の常設機材でどうにかするのが身軽で良いなという近頃のマイブームに則って、である。
実際のところ、音作りに違和感を感じる事もなく演奏出来た。手元で制御する音量の可変幅に余裕を持たせたく、割とアンプからの出音を「ちょい」大き目くらいにしたのが結果的に良かったかもしれない。
この日、演奏中に予想していたよりもグッと音量を落とし込んだりする瞬間があったのだがそれでも手元で思う通りの表現をする事が出来た。


演奏する立場からすると白線の内側での演奏は参加するバンドの中で一番捉え所がないな、と思う。
これをやっておけば正解!みたいなものが未だに掴みきれていない。その時その時の樫山君の表現に真摯に向き合って、演奏陣3名で背景を描き出す(=付け足す、立ち上げる)ような演奏をする事だけは心掛けているのだが。
音楽とはそういうものなのかもしれない。生き物のように変動するそれを掴もうとして掴んだ気になるものの手元からするりと逃げていく。それが面白くて追いかけ続けているのか。