白線の内側の練習初めだった。
8月に台風の影響で開催中止となった自主企画が同じ出演陣で今月25日に開催される。
それに向けてバンドとしての胆力をつけんとスタジオに集った次第だ。
1曲、僕以外全員演奏しているけれどベースはなかなか弾き始めない、という曲があるので手持無沙汰で写真を撮った。
ライブでは普段ドラムを担当する金森君がギターも弾く。自身がギターボーカルとして活動しているだけあって美しい演奏をする。マルチプレイヤーである彼が白線の内側としてギターを手に取ったのは、バンドとしての表現の拡張に繋がったな、と思う。
少し前に「ギターアンプとベースアンプを同時に鳴らして疑似的にステレオ状態にしたら、これまた広がりのある音場が作れるのではないか」と思いついて組んだペダルボードを初めて大きな音量で鳴らした。
ギターアンプは樫山君がEdwardsのものを持ってきてくれた。自宅練習用の小型アンプにも関心があったのでお願いして持ってきて貰ったのだった。
しかし1曲演奏した時点でどうにも違和感。確かに広がりは感じられたけれども、どうもそこまでして「空間を押し広げる事に意味があるのか」と感じてしまったのだった。
演奏に臨む際のシステム(機材)についてはムスタングベースだったり今回のペダルボードだったりと挑戦してみたものの、結局これまでの『ベースアンプからSBVをバゴンと鳴らす』スタイルが一番したい演奏が実現出来そうなのであった。
しかし思わぬ収穫もあった。
何となくこれまた思い付きで(思い付きで色々と試しているのはそういう時期だからだろう、きっと)指弾きを試したところ、バンド全体のダイナミクスに対応しやすい、と感じた。演奏中の手元での音色のコントロールも直感的に行える。
バッコンバコン、ゴリゴリに弾くよりも繊細な表情が求められる事が多いこのバンドでの演奏は指弾きの方が合うのかもしれない。
先日調整して貰ったSBVも良い感じの弾き応え、良い感じの音色である。
演奏は、表現は拡張していく、拡大していく。そうしよう。