社長にとってのオンタイム

成田さん、夏目さん、ONE BY ONE RECORDSシバヤマ社長とJONNY(野々垣氏は予定が合わず残念ながら欠席)で飲み会を決行。バンドや音楽の話(皆さんそれぞれ様々なバンドを観てきた、そして観ている方だけあって視点、物言いが本当に的確というか腑に落ちる)からキョンシーや新撰組の話をする。

シバヤマ社長のお父上の話。

シバヤマ社長が5歳の頃、今からざっと25年前の話だ。お父上は一枚のCDを差し出してシバヤマ少年に言ったそうである。

「おい、ザ・ビートルズってバンドがデビューしたぞ。聴いてみろ」

シバヤマ少年はそのバンドをとても気に入った。半年経った頃、お父上はまたCDを差し出した。

「ザ・ビートルズの新しいアルバムが出たぞ。聴くか」

シバヤマ少年はその2枚目のアルバムも気に入った。すっかりファンになった。

それからというもの、お父上はその「ザ・ビートルズ」というバンドの新譜が出る度に息子兄弟にそのCDを聴かせていたそうだ。

「ビートルズが映画に出るそうだ。『ヘルプ!』って映画らしい」

「本当に!?ビートルズが映画に出るの?行こうよ!」

「それが、映画館ではやってないんだよなあ」

しかしお父上はしっかりビデオテープを用意してきたようで、シバヤマ少年と弟少年はその映画をワクワクしながら観たそうだ。「ザ・ビートルズ」はシバヤマ少年の心を奪った最初の音楽だったのだ。夢中になってCDを聴き、「ザ・ビートルズ」のTシャツを着て小学校へ行った。先生方は当然のように少年に「ビートルズが好きなの?」と話かけた。しかし彼らは当たり前のように「でも、ジョン・レノンが死んじゃって残念だったわね・・・」と付け加えるのを忘れなかった。

何を言っているんだ。シバヤマ少年は嘘を言う先生達が許せず、それを言われる度に学校から怒って帰ってしまったそうだ。そんな少年時代のある日、ついに『その日』がやって来た。

「おい、ビートルズがな、解散したそうだ・・・」

「ええっ!?」

ショックだった。自分が愛しているバンドの解散。しかしそれだけでは終わらない。心が癒えきらないまま、数ヵ月後。

「ジョン・レノンがな・・・・死んだそうだ。殺されたんだって」

「・・・・・!!」

シバヤマ少年は心の底から嘆き悲しんだ。

5歳の頃から、まだ音楽というのがよくわからない頃から当たり前のようにそこに有り、そして愛し、アルバムが出る度に、映画が公開される度に貪りついて、Tシャツも学校へ着ていく程愛したバンド、その名は「THE BEATLES」・・・。

そう、お父上は自分が愛した「THE BEATLES」をどうしても息子にオンタイムで体験して欲しかったのだ。

当時もうバンドは解散していたし、彼らの1stアルバム発売から結構な年月が経っていた。しかし父は、どうしても息子に自分が学生時代に体験した『あの』感覚を味わって欲しかったのだ。

それが功を奏してか、シバヤマ社長にとって「THE BEATLES」はオンタイムで体験したバンドになっている。この父上の目論見、気の長いようで実に素敵で、そして実に愛情に溢れているじゃあないか。

つまり「THE BEATLES」をオンタイムで楽しんで大人になった人、そんなシバヤマ社長のレーベルに所属するバンドで僕はベースを弾いてるってわけ。かなりグッときたので許可を頂いた上で掲載させて頂きました。

凄くいい話!

コメント

  1. クンジャ より:

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    な話でした!

    またよらせて頂きますm(__)m

  2. 小林勇気 より:

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    震えがおきました。
    こんな愛し方もされてる、THE BEATLES。スケールの大きさを実感しますねぇ。
    お父さん、素敵すぎて羨ましい!!

  3. フナハシ より:

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    >クンジャさん
    有難うございます。
    いつでもお越し下さいませ。

  4. フナハシ より:

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    >小林勇気さん
    その話をして「だから僕はBEATLES、オンタイムで聴いてるんだよ」と話した社長の顔が物凄く嬉しそうで感動しましたYo!
    最初は「30歳なのに何故・・・」となったけれどww