鈴木実貴子ズ(バンド編成=鈴木実貴子ズズズ、と最近は呼称される事多し)でTrooper Saluteの企画に出演。
共演はQOOPIE、そしてTrooper Salute。場所は今池得三。
金曜日かつ月末、職場は割と繁忙になる可能性が高いという事で有給休暇は取得せず出勤。キッチリ定時まで勤め上げて定時ダッシュ、である。
上司に理由を話し、職場を出る時にはもう私服(ステージ衣装、というと大袈裟だが、結果的にそうなる)に着替えておいた。
朝履いてきた革靴をスニーカーに履き替えて、市営バスと地下鉄を乗り継いで今池へ。
得三に到着するともう既に会場はオープンしており、お客さんも沢山いらっしゃった。話によるとこのスリーマン、ソールドアウトしているらしい。テーブルの出ていない得三って初めてかもしれなかった。凄い事だ。
久しぶりの鈴木実貴子ズでのベースギター演奏という事で気合いは入っているけれども、この日のために1年以上ぶりに2時間×2回行ったスタジオ練習で「お、バッチリだね。それどころか以前より良いね」と成っているのを実感しているので変に気負わないようにする。いや気負うんだけどね。気負わないようにしている時点で気負っているという事。気負うのも致し方あるまい。
QOOPIEが1バンド目、鈴木実貴子ズズズが2バンド目、Trooper Saluteが3バンド目だったのだけれども、出番前にQOOPIE、出番後にTrooper Saluteの演奏を観聴きしてその巧みさに舟橋、戦慄。各メンバーの演奏技術もさる事ながらアンサンブル構築の完成度の高さに感服。
ベースギターという観点で見ても「いや同じ楽器なのにどうしてこうも演奏が違うのか」と自問自答しかけたよ僕ァ。
豊かな低音がバンドアンサンブルを支えて包んで時に彩り、楽曲に貢献している。
それに引き換え自分のベースギター演奏は兎に角弦をブッ叩くだけ、みたいなもんだ。
こういう演奏人生も有り得たのかもな、と思った。ベースギターをちゃんと練習しようと思ったあの時、練習していたあの時、人の演奏から影響を受けたあの瞬間、他の音楽を聴いていたら、自分が抱える楽器の他の角度の魅力に気付いていたら、或いは自分の演奏の方向性をそちらに向けていたら、ああいう演奏を成し得たのかもしれない。ともすれば活動の幅も広がったのかもしれなかった。

驚くべき事に楽屋とステージの間の階段に座ってTrooper Saluteの演奏を観ながらそこまで考えたのだった。
だけれども同時に「可能性の話だよな」と思っていた。
僕の演奏は僕の演奏以上でも以下にも成り得ず(もっともそれは演奏者全て言える事なのだろうとも思っている)、大小問わずの各種選択の結果、僕は今のピーキーな演奏(自覚はある)を行っているのであり、そして今の活動があるのはその演奏が関係している可能性は否定しきれないのであった。
まあ、じゃあこれが最良か。僕は僕のやりたい演奏を突き詰める他ないのだろう。
自分とかけ離れておりかつそのベクトルでの極致(の1つと思われる)の演奏を拝見して、そう思ったのだった。
あとQOOPIEのギター氏が春日井温泉の経営者という事でこれまでお世話になったお礼とファンである旨、お伝えした。
銭湯運営の色々な話を訊けて楽しい時間だった。
春日井温泉、また可能な限り早く行かねばなるまい。

pedalboard2025.10.31
鈴木実貴子ズズズにて使用するためのペダルボード。
常時オンのコンプレッサーにプリアンプ、EQは変わらずで「ちょっと歪ませるための」EarthQuakerDevices westwoodと「思いっきり歪ませるための」DEATH BY AUDIO BASS WAR、「やっぱりちょっとウェットに残響」なEarthQuakerDevices Ledgesとシンプル極まりない構成。
兎に角常時オンのペダル達で「ドスの効いたような軽く歪んだベース音」さえ作れれば、その音がもう少し歪んでちょっと音量上がるのと、その音に加えて激烈に歪んだ音が大きな音量で鳴っている3種類の音を作るのは容易かろうとシンプルにまとめてみた。
転換兼リハーサルと悠然と音作りをする時間も気持ちの余裕もなかったので変に冒険せず、手堅く構築したペダルボードである。

終演後は鈴木さんが車で家まで送ってくれた。荷物が多かったので大いに助けて頂きました。
帰宅すると妻も娘(長女、次女)達も眠っていた。翌日は運動会なので早めに寝たのだろう。いや、帰宅時間が遅かったのか。
申し訳ないな、と思いつつ荷物を片付けて一息つくと空腹を感じた。
平日は16時間絶食を行う事があり、この日も絶食していたのだった。16時間どころではない、24時間以上絶食していた。道理で腹も減るわけだ。
演奏によってダメージを負った肉体を回復させたいという思いもあったので、しっかりとカロリーを摂取しようと思ったのと「好き勝手やってやろう」という気持ちがあったので車に乗り込み名古屋市港区の山岡家へ。
特製味噌ラーメンの中盛と小ライス。胃袋にガツンと入れた。
その後、既に体が痛かったのでアプリで予約を入れてマッサージへ。本当に好き放題だな。