前回まで
■青島文化教材社 ゴジラ(2023)を作る 第1回 組み上げる→ザッと塗装
■青島文化教材社 ゴジラ(2023)を作る 第2回 微修正→あずき色を塗る→調整
■青島文化教材社 ゴジラ(2023)を作る 第3回 細かい所の塗装を詰めていく
■青島文化教材社 ゴジラ(2023)を作る 第4回 細かい塗装を重ねていく
■青島文化教材社 ゴジラ(2023)を作る 第5回 全体をウォッシングする
製作もいよいよ佳境。
この青島文化教材社のゴジラ(2023)との楽しい時間もそろそろ一区切りとなりそうである。
マシーネンクリーガーばかり作ってきた僕が果たしてゴジラを格好良く組み上げて塗装する事が出来るのか自信がなかったけれども、キットのクオリティの高さに大いに助けられいよいよ完成目前。
感慨深いなあ。大切に作ろう。

ウォッシングを終えて次の工程である。
ゴジラの鱗や背びれのエッジを出してやるためにドライブラシをかけようかというところなのだが、実はドライブラシ、これまでうまくいった試しがない。どうも塗料ガベチャッとついてしまいリカバリーに追われて「ドライブラシを施したぞ!」という実感を得ないままうやむやになってしまっていた。
「ドライブラシが苦手ならウェザリングマスター『B』セットのスノーを付属のブラシでサッサッとやるとエッジが綺麗に出る」と先輩諸氏の製作記録で目にしたので、早速購入。粉をサッサッとやるのならば、ドライブラシに挑戦して失敗するより遥かにハードルが低そうである。

早速やってみた。
…ううむ、果たしてこれで良いのだろうか。
何だか白い埃がひっついた、くらいの感じになってしまった感も否めない。
正解か?果たしてこれが正解なのだろうか。

背びれ部分は確かに細かい掘り込みも浮き上がってきて抜群に格好良くなった。
それでも「これでいいのだろうか」感は正直、あるなあ。
それならばとこれまでうまくいった試しのなかったドライブラシに再挑戦する事にした。やけになったわけではない。
やはり苦手だからと避けているといつまで経ってもハードルは乗り越える事が出来ないなと思ったのであった。
ドライブラシ、習得出来るならば是非習得した技術の1つだしね。

水性アクリル塗料の『ホワイト』を筆にちょんっとつけてそのままティッシュの上に何度もトントンと叩きつけ、筆先の塗料を落としてやる。
この回数が少ないと筆先をキットに当てた時に塗料がベチャッとついて台無しになってしまうのでこれでもかとトントンやった。
そろそろ良かろう、と恐る恐る筆先をゴジラの鱗部分をかすめるようにサッサッと動かしてやる。
「お」
サッサッ程度ではほとんど変化もなかったけれども、何度も筆先を動かすと乾いたホワイトの塗料が鱗のエッジ部分にのったのだろう、鱗が格好良く浮き上がってきた。
どうやら、人生で初めてドライブラシ成功である。
サッとやるだけでエッジが立つと想像していたのだけれども、その想像故に塗料を付け過ぎていたので失敗し続けてきたのであった。これまではドライブラシならぬウェットブラシである。
よく乾いた筆先を何度もこすりつけるようにする事で徐々に色をのせる作業なんだな、ドライブラシ。
楽しくなってついついホワイトをのせ過ぎた箇所はジャーマングレーをドライブラシして馴染むようにした。

特にこの箇所なんて気に入っている。
正直ホワイトのドライブラシ1色でこんなに格好良くなるだなんて思ってもみなかった。
劇中のイメージに一気に近付いた気がする。
勿論つや消しクリアーでセーブ。

そろそろ台座も用意せねば、と木片の四隅に厚紙を貼って整えたもの(ナッツロッカーを製作した時に作ったものだと記憶している)にパテを塗りたくる。
鋳造表現の時と同じように使い捨てのビニール手袋を用いて指先で塗り伸ばしたのだけれども、うん、なかなか楽しい。
この日はここまで。