今更ながら去年の演奏納めについて。
流石に10日以上前の事、しかも2019年の事を書くのはいかがなものかと思ったけれども別の角度から言えば去年の話「だけれど」まだ10日ちょっと前の話なのだ。まだ時効ではない。
2019年の演奏納めはこの年も随分とお世話になった=起用して頂いた鈴木実貴子ズにて、今池HUCK FINNでClimb The Mindとのツーマン公演だった。
最初の頃こそタイミングが合えば、みたいな形だった鈴木実貴子ズへのサポート参加も、今となっては割と定期的に声をかけて貰っていて冗談で「通年雇用だね。年度更新制かな」なんて口に出来ちゃうくらいくだけた雰囲気ではあるのだけど、それでもいや、それだからこそちゃんと良い演奏をしないとなという気持ちがある。声をかけ続けて貰うようにするには飛んできた球を最高の形で打ち返せるように磨き続ける他ない、と思っているからだ。それは僕のような会社勤めをしながらバンド活動を続ける身とて同じだ。時間の都合や大人の事情(という表現こそ良く使われるけどどんなんだ、それ)諸々以外でオファーが途絶える事のないよう、2人の音楽への真摯な向き合い方と同じかそれに準じるように真摯に二人の音楽、バンド活動に向き合おう。
さてこの日は今池HUCK FINNが会場、妻も物販の手伝いで会場入りするという事で実家(舟橋家)に娘を預けてのローテーション制での会場入りとなった。つまり、オープン直前に妻が実家へ娘を預けに行き、先攻での演奏を終えた僕がその足で実家へ娘を迎えに行き実家で娘を風呂に入れ、終演後一定時間が過ぎた頃合いで会場まで妻を迎えに行くという流れである。
Climb The Mindを観られないのは残念極まりないけれど、その分せめてリハーサルをしっかり観ようと会場の片隅で腰掛けて拝見した。
いや、改めて観ても凄く独特で完成されたスタイルのバンドサウンドである。4弦を外したムスタングベースの音は腰高だけれどしっかり低音があって単体でも美しい音色だが、バンドサウンドの中だとリード楽器として機能してまた美しさが無類である。
あの立ち位置はアンサンブル全体の総意、というか無言の合意がなければ成り立たないだろうし逆にあのアンサンブルはあの音色があるからこそ成り立つもので、これはもう卵が先から鶏が先かみたいな話だけれどもそんな事にまで思索が及ぶ程、印象深いものだった。とてもじゃないけれど真似出来ない、刺激的な演奏。
また、この日はリハーサルにてHUCK FINN ナベちゃんよりアンサンブルに於けるベースの位相について言及があり、今まで気にした事もなかったけれどそういう概念があるのかと眼から鱗だった。演奏者が気にし過ぎる事ではない、とナベちゃんが言葉を添えてくれたけれどもそれはつまり無自覚であって良いという事ではないと解釈した。帰宅後、またその翌日以降、勉強したり自分の楽器の波形を見たりして研究した。今後折を見、また周囲の協力を得た上で検証する機会を持ちたい。
この日の鈴木実貴子ズの演奏はやっぱり、気負った。一年の集大成にせん、と意気込むだろうとは思ったけれどもやっぱり意気込んだ。けど変に上滑りはせずに、適度に冷静でもいられたと思う。2020年はもっと磨きをかけようとも、思ったが。
さて2020年はどんな演奏が待っているだろうか。
ヨシダユキ先生が撮ってくれた写真。撮影で来た先生と会うのも久しぶりで嬉しかった。
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