戦争をもたらす者。

48810494.JPGラトル指揮、ホルスト/組曲「惑星」のCDを購入。仕事中のBGMにする。火星は戦争をもたらす者として作曲されており、聴いていると軍隊が進軍していたり対空砲が炸裂していたり脳内でモノクロ映像の戦争が繰り広げられる。不穏ながらも勇ましく、そして曲中に横たわる害意の気配は紛れもなく戦争のそれである。

最近聞いた話では指揮者はただ闇雲に指揮棒を振るのではない。その瞬間に指揮者が何拍目を意識しているのかを明確に示す方法として、棒の軌跡ではなく「点」を提示する事が重要だそうだ。
演奏者は指揮棒によって落とされる「点」によって拍を意識するのだとか。しかもオーケストラが指揮棒を目で認識した後に演奏に移る、生き物であるが故に必ず生じるであろうタイムラグまでをも視野に入れ、名だたる指揮者達は指揮棒を振っているらしい。
指揮者によっては体中のどの箇所であろうが、それこそ二つの眼球だけでオーケストラを指揮する程のオーラを有しており、オーケストラもとりつかれたように演奏に没入できるそうだ。

目で指揮をとる云々のエピソードはともかくとしても、「点」を落とす事によって拍を明確にする方法論は実際に指揮棒をふるジェスチャアによって実感できるかと。

同じ音楽といえども、違った土俵の話は非常に興味深い。

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