from toilet with love.

音楽を自らの排泄行為のようなものだ、と言ったのはどこの誰だったかは定かではないしこの主義に共感をおぼえる自作自演屋が世の中にどれくらいいるかも推察する事すらかなわないけれども、一つだけ確かな事がある。
僕にとって音楽をやるというのは排泄行為ではないし、僕にとっての排泄行為というのはそこまで能動的な行動ではない。

というわけで今日は排泄行為について書く。お食事中の皆様、うん○やお○っこを嫌悪する方は今すぐブラウザの戻るボタンか携帯電話のクリアーボタンを。まだ間に合います。

オーケイ、では早速始めるとしよう。
実は、過敏性腸症候群だ。最近は症状が出にくくなっているので「だった」と言った方が適切だったかもしれないが、とにかく。
リンク先のwikipediaを参照できない環境にある方のために、wikiから説明を若干引用しておく。

「過敏性腸症候群(かびんせいちょうしょうこうぐん、Irritable Bowel Syndrome:通称 IBS)は、主として大腸の運動および分泌機能の異常で起こる病気の総称。検査を行っても炎症や潰瘍など目に見える異常が認められないにもかかわらず、下痢や便秘、ガス過多による下腹部の張りなどの症状が起こる。以前は大腸の機能の異常によって引き起こされる病気ということで『過敏性大腸症候群』と呼ばれていたが、最近では大腸だけではなく小腸にも関係することなどから『過敏性腸症候群』と呼ばれる。」

引き金となるのはストレス、緊張、etc.
噛み砕いて言ってしまえば「緊張すると下痢をする」というものなのだがこれが馬鹿にできない。英語検定で初めての場所へ移動、苦手な球技を行う体育の授業、そして遂には朝の通勤通学ラッシュ、こんなシチュエーションに高校生だった舟橋少年、そして彼の胃腸がどれだけ苦しめられていたか。
僕を受け持つ教師達も事情を察してか僕と僕の胃腸の関係を慮ってくれ、特に毎週木曜3限目(すなわち4時間目に控えている体育の授業のおよそ30分前にあたる)の数学を受け持ってくださったF先生は「舟橋はいちいちことわらずともトイレへ行ってよい」と有難い許可を下さった。
クラスメート達も僕と下痢の関係をことさらにさわぎたてるでもなく、せいぜいがトイレが大好きな舟橋、程度の冗談を口にする程度で僕は僕の胃腸のせいでさらにお腹を締め上げられるような思いはせずにすんだのだった。
過敏性腸症候群であると診断される前からそうであったのだから、僕の周りには気のいい連中が揃っていたと断じて間違いがないだろう。

閉口したのは下痢時の臭いである。あれを一言で説明するならば『絶望』。
絶望的な臭いなのだ。およそ人体の中に一時でも在ったものがこんな臭いをしていていいのか、というような臭い。僕は僕の軟便からたちのぼるケミカルな臭いにガックリとうなだれる事しかできなかったのだ。

およそ数年にわたる闘いの後、気がつけば症状もあまり出なくなっておりせいぜいがストレスが溜まっている際に暴飲暴食すると翌日「アイタタタタ・・・・」となるくらいである。むしろ高校時代からの付き合いだった過敏性腸症候群のお陰で排泄行為のバイオリズム、「あとこれくらいでこの腹痛もおさまるな」みたいなのが予想できるようになった。経験としてはあれはあれで悪くなかっただろう。
身近な人間で今なおこれに悩まされている人間がいるが、彼の胃腸よ、彼の自律神経よ、願わくば彼を苦しめないでくれ。

そんな事を考えていた、木曜の昼下がり。舟橋孝裕24歳、トイレにて。

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