容姿が飛びぬけて良いわけでもない僕は(贔屓目に見ても極々一部の限られた人間の嗜好しかつかない。大衆性がない)ずっと所謂『お洒落』というものに対して敬遠してきた節がある。
磨いても石は石、ではないが、少なくとも僕にとっての『お洒落』というのは『分をわきまえた格好をする』事がそれなのである。それは学生時代からずっとそうだったし(背伸びした時期はあれど、あれは若気の至りって奴だ多分きっと)、これからもきっとそうだろう。
髪の毛は洗いざらしで整髪料はつけず、服装はこざっぱりと清潔感だけ意識して冒険はしない。
それでいい。それで十分だ。それで相応の戦果をおさめてきたじゃあないか。
しかし昨夜、昨夜である。僕は世にも珍しい経験をしたのだった。今日はそんな僕の珍しい夜の話。
友人でありカメラマンのミエコちゃんにずっと借りていた「たま」のCDを、丁度時間が空いたので返しに行く事にした。メールでその旨伝えて、自宅を出る。最寄のコンビニから電話すると、何と女子7人で新年会中だという。
しまった。催しものの最中だったか。最もミエコちゃんが来るのを良しとしたのだから、僕が行って場が凍るという事はないのだろうけれども、それにしても女子7人の中に男子一人で突っ込むのはそれすなわち特攻。
ええい、ままよ。どうにでもなれ。
何も考えずにミエコちゃん宅にあがりこむ。おお、何と…!
僕はここに記しておきたい。女子7人の新年会、その華やかさと空気の軽やかさたるや、想像し難いものがある。そこにあるのはブラウン管越しに見てきた光景、コミックや映画で描かれていた『女子の飲み会』。
単純に不慣れという事もあるだろうが(むしろ女子7名の中に男性一人、このシチュエーションに慣れている成人男性がいたら是非話を聞きたいものだ)、ひたすらに萎縮する。ただでさえ人見知りなのに、ハジメマシテな関係の方が多い。いや、この緊張する感じ、しかし不愉快ではない感じ、むしろちょっと何か浮かれそうな緊張感、何でしょうネ、コレは。
女子7人、ひたすらに気持ちの良い女子達である。いつしか時間は過ぎ、邪魔するのも何だし中座しようと思っていた遠慮はどこへやら、気がつけば時刻は朝方5時。随分と僕はリラックスしていた。何なら普段通りで、女子という生き物に対して今まで以上の敬愛の念を感じていたものである。
男性のグッとくる仕草、女性のハッとさせられる点等有意義な意見交換もし、話は男女間のウィークポイントに終始せんとした時分である。ミエコちゃんが僕の直毛過ぎる髪の毛をコテで巻こうと発言した。
で、気がつけば興にのった女性陣による改造手術ならぬイメージチェンジが施されていた。
ポイントは
・コテで巻いた髪の毛にワックスをつけてボリュームを出す(モッサリ感)
・マフラーをまく
・ヘッドフォン(ビレバンにいそうな男子像)
・ニヤニヤ笑いをやめる(それがある限り変わらない。変わるわけがない)
以上である。
で、完成したフナハシ新生ver.がこちら。
いかがだろうか。
いずれにせよ、一時的であるにしても普段の自分がしそうもない事をやってもらったのは面白かった。
実に興味深い経験であると断言できるが、普段からこういう手間を自分にかけるかという話になると、それは・・・ううむ。それはそれ、という事だろうか。
遊んでくれた女子7人の皆さん、有難うございましたー!
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