-wikipediaより「コントラバスの起源・歴史」
類似する低音部の弦楽器であるチェロは、いわばヴァイオリンを大型化させた、れっきとしたヴァイオリン属であるのに対して、コントラバスはヴィオラ・ダ・ガンバの最低音域楽器であるヴィオローネという楽器が直接の先祖に当たる。これは16世紀に生まれ、18世紀頃まで用いられていた。
このように、もともとヴィオール属から進化した楽器であるが、バロック期後半頃からチェロの影響を受けて次第にヴァイオリン属との融合が進み、現在ではヴァイオリン属とヴィオール属の中間に位置する楽器とされている。
つまり、コントラバス(和製英語によるところのウッドベース)とエレクトリック・ベースギターは分類的に根本的に違う楽器である。ギター属の中で最も低い音階を奏でる楽器としてのエレクトリック・ベースギターはその呼び名が表すように確実にギターの一種類であり、それはレオ・フェンダーがコントラバスを間口の広い楽器としてあらゆる音楽家が演奏可能になるようフレットを打ち、小型化した事により想像された全く新しい楽器と考えて差し支えないのではないだろうか。
で、だ。
フェンダー プレシジョンベースによって始まったエレクトリック・ベースギターの歴史が、その実は半世紀程度しかない事を鑑みると、一部音楽演奏家達(しかも電気を媒介に用いた弦楽器奏者達)の間で言い交わされる「ベースらしい」という表現自体が根本的に危ういものとなってくる。彼らが指し示すものが紛れも無くエレクトリック・ベースギターであるのは疑いようがないし、そして大抵彼らはエレクトリック・ベースギターの歴史以上に日々を重ねてはいないからだ。
思うに、その場で鳴っている音楽毎に適切な音階、不協和音が存在するようにこと音色に関しても相応しい、相応しくないは選定されて然るべきである。「ベースらしくない」というのは大抵の場における過半数を占める実例を指し示しているのであろうけれども、それを口にするにはあまりにも抵抗がある。
これは別に何も僕が歪ませたりエフェクターをかけたりする事に対する自己弁護では決してない旨を明記して(そして大抵の場合この言い回しは否定しきれない事実を覆い隠そうと軽いウィットを含ませて言っているのだ)、この小難しい薀蓄話を含んだ、問題提起染みた駄文を〆たいと思う。
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