カフェという場所への第一印象は、正直言ってそこまで良いものではなかったのは確かだ。
カフェという存在が巷で広く認知されるようになって久しい頃、ようやっと世事にも疎く、流行には基本的に一歩半遅れの僕にもその「カフェ」という響きが耳に届いた。
「カフェ」。ふむ。
はじめは昭和テイスト溢れる場所を想像したのだけれど、どうやら実際のカフェはそうでもないらしい。喫茶店とカフェとの違いがいまいち掴めない僕には敷居が高い場所のような気がし、店の前を通りかかっても店内の様子を伺っても、進んで中に入る事はなかった。なんだかんだで「カフェ」の存在を知ってから結構な年月が経ってしまった。
ふとした機会、それは旧友との再会だったか何かの打ち合わせの際か、僕はカフェに入る事になった。
せめてものお洒落なイメージ(お茶を飲みながらの談笑、の醸し出す人情を解せないもの、とした時期があったのだ正直に打ち明けると)への抵抗のように、食事をとったように思う。供されたメニューが何だったのかいまいちはっきりとは憶えていないけれども、所謂「カフェ飯」はお腹にたまらず、僕には少しばかり量が少な過ぎた。
敗残兵のような胃袋を抱えて、僕は思った。
カフェという場所も、そこに集う連中も自分の生活している階層より数段上の人間だ。
皮肉にも、実家の近くにはカフェが沢山ある。
月日が流れて僕も少しずつ少しずつ大人になって、カフェという場所を楽しむ事が少しはできるようになった。
そんな僕が、篠田君とユニットを組んでカフェでのイベントに出演します。
僕よりその場所に相応しい人達は沢山いそうだけれども、モリエスさんというイラストやデザインをやられる友人が個展をやる、というので誘って頂いた。素晴らしい出演陣。
3月7日(日曜日)
君の好きなひと@FUTURO cafe+dining
出演:
・さよなら三角(from 明日、照らす)
・アメニトウタ
・未確認尾行物体(篠田尚希+舟橋孝裕)
会場18:45 開演19:00
予約/当日共に¥2000(2ドリンク付き)
この中で僕が一体何をするのか。
「トークショーでも構わない」とモリエスさんは言うけれど、僕って多分そんなに口のうまい方じゃないのね。カフェって場所だけで少し緊張する。
でもきっと食事も美味しいだろうし(スペアリブがあるじゃないか!)、変に気負う必要もないだろう。どうせなら人に迷惑をかけない範囲で『カフェライブ』から大きく逸脱したものをやりたい。それが好評を博すかは別としても、だ。
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