コダマ10の記録 「一日目から、開店まで」

10月23日(土) 12:00

コダマ10」が始まってしばらくは、まだスタート直後の慌しさにのまれて落ち着いて楽しむ事が出来なかった。

駐車場近辺で受付を手伝ったり、その辺りをウロウロしていた。

会場入りする友人のバンドマンやお客さん達とすれ違う度に「舟橋君顔色悪いぞ」とか「舟橋さん顔真っ白ですよ」とか「死にそう」とか「人殺しの目してる」とか言われる。精神的に高揚しているものの、この辺りは眠気と覚醒状態の間をいったりきたりしており、フッと気を抜くと「眠い」が口癖のように口をついて出た。

しかし何かしら外的刺激があるとすぐに覚醒し饒舌に喋りだすという、端から見たらブッ壊れたような状態だったのではないかと思う。

この辺りでもう何となく「JONNYの演奏終わるまで眠るのやめよう」とか考え出す。

同日 13:00頃

片言MC(一部ではガチで外人なんじゃないかという噂さえ流れたらしい)搭載、へヴィーメタルの魂の継承者たるDOIMOIを観、そのままアジアステージにcuolのリハーサルを観に行く。

去年のコダマで出会い、それ以来定期的に連絡をとりあう仲になったcuolだけども(有難い事に音源のコメントまで書かせて頂いた)、演奏を観るのは久しぶり。最後にcuolを観たのは池袋 手刀での演奏が最後だと思う。

機材をセッティングしている間、アジアステージのフロア内に設置してあったソファで一休み。柔らかいソファに腰を落ち着けたのは久しぶりで人心地着く。確か佐藤メンバーが現れて「もう眠れ」と声をかけてくれた気がする。

気がつけば眠っており、あわやcuolを観逃す所だったが、奇跡的に覚醒。覚醒のタイミングというのがまたギリギリで、ギターヴォーカル師範代の「cuolです、宜しくお願いします」という挨拶を耳にした瞬間に覚醒。慌ててステージ前に陣取る。

さて久しぶりのcuolだけれども、オーシャンビューのアジアステージ、海を背負ったcuolはこれまた良かった。ドラムの機材不調にほそや先輩は苛立っていたようだけれども、それさえもバンドのヒリヒリした演奏に一役買っているのではないか、と錯覚してしまう程。徐々に熱量を上げていく演奏陣、しかし背景は広大な海。

個人的にcuolのイメージは室内、しかもどちらかというと地下だったりするのだけれども、室内であれどオーシャンビュー、というアジアステージでのcuolは非常に面白いシチュエーションだった。

いや、しかしcuol凄えわ。最初の頃は正直まばらだったお客さんも、ふと振り返ってみれば明らかに人が増えておりしかも皆興味深深といった様子でステージを見つめている。

「cuol観て爆笑すんのお前くらいのもんだぞ」とほそや先輩に言われたけれども、やはり凄いものを観ると笑ってしまう癖はなかなか治らないようです。

同日 14:00過ぎ

機材を取りに行こうと佐藤車に向かってテクテク歩いていると、ファズのかかったリードギター。「うひょい、どこのプログレバンドじゃい」と耳を済ませると、これはoverskillじゃあるまいか。

ベースを背負ったまま、ゲリラステージに移動。こちらは野外でオーシャンビュー。白昼堂々、海を背負ってのoverskillはやっぱりイメージとはちょっとギャップがあったけれども、これはこれで乙。フェスらしい光景である。

曲の合間にベース水谷君を野次ったりしつつ、演奏を楽しむ。レコーディングに際して演奏に色々口を出していた篠田Pも「あいつら、うまくなったなあ」としみじみ。親心って奴ですかい、篠田P。

でも確かにそうだ。数え切れない程ライブを観たわけでは勿論ないけれども、彼らの演奏、それまでの印象と随分違った。いやはや、もう本当に叩き潰されるんじゃないかとワクワクしています。

で、時間が来たのでコダマステージに移動。JONNY、そろそろセッティングですね。

同日 14:40頃

「さっさとリハーサル終わらせてALLieを観に行こう」と佐藤メンバー。

アジアステージから漏れ聴こえる音は確かにALLieのそれであり、各務君が中から出てくるなり「格好良い!」と一言。よし、じゃあちゃっちゃと転換終わらせよう。

しかし酒気を帯びたメンバーにそれが出来るわけもなく、何だかんだで転換終わりでそのまま演奏。

はしゃいだ我々、随分と手荒な演奏をしたように思う。個人的には信頼感のあるYAMAHA SBV(青色)、この楽器をいきなり本番にて実戦投入してみたのだけれどもこれの良さに興奮しつつ「ああこの感じこの感じ」と思いつつ演奏。YAMAHAのSBVシリーズ、僕の求めるものを全て兼ね備えた楽器だ。

屋外での演奏というのは音がバンバンとんでいくのでついつい音量が大きくなる。この日もギターアンプ、ベースアンプからの飛び出してた音量って相当なものだったんじゃないだろうか。PA松井さんの采配がなければ結構厳しかったのではないだろうか、と思っている。何にせよ、楽しく演奏終了。

若干一名、サポートメンバーが海に消え、僕は山に還ろうとしていたけれども、我々何だかんだで都会派のバンドですよ。

同日 16:00過ぎ

ゲリラステージでレッサーホースを観覧わず。

名古屋の至宝、野村先生のありとあらゆる演奏スキル、表現力全てを叩き込んだバンドだと思う。個人的には野村先生自身の演奏を楽しまれるのであればノムラセントラルステーションよりレッサーホースかもしらん、と思った。どっちも抑えておけば完璧。

で、レッサーホース、「コダマ10」開催前から何かやるんじゃないかと囁かれていたけれども案の定やってくれた。

・「ゴミを捨てるなー!!」野村先生の絶叫に呼応するように客席からステージに降り注ぐゴミ。

・「ちょっとSEBASTIAN X に思いを伝えてきます!」ベースを持ったまま、コダマステージに全力疾走する野村先生。追う観客。コダマステージではSEBASTIAN X 演奏の真っ最中!彼らの曲にあわせてベースを振り回す野村先生(ワイヤレス搭載故、恐らく音はゲリラステージで鳴り響いていたかと)。全力ダッシュでゲリラステージに戻る野村先生。追う観客。起こる喝采!(余談だけれど後程SEBASTIAN X 飯田君にその事を話したら「え、まじで?気付かなかったよ!」と。それはそれで凄い!そういえばグワッグワッ弾いてたもんな飯田君)

もうここまででもかなりやりまくっているのに、壮大なオチをつけた野村先生。

朝早くにゲリラステージ近くをフラフラしている際に見つけた桟橋、「こんなのあったら野村先生絶対何かやりますよー」とか言って皆で笑っていたのだけども、案の定。

続・我が逃走
画像が野村先生のmixi日記から頂きました。
勝手に。ごめんなさい。

「しょっぱいよー!しょっぱいよー!」そう叫びながら海に入っていく野村先生。絶対にベースは手放さない!

これぞベーシストの鑑!

「コダマは、俺がゲリラする」

宣戦布告通り完全にゲリラしきったレッサーホース、野村さんに敬礼!

同日 17:00頃

「そろそろ寝ようかな」

「えっエビ観ないんですか?」

「だって今にもブッ倒れそうなんだもの」

「あー、寝てませんものねえ」

朝方、車中で一瞬意識を失ったのとcuolのリハーサル中に仮眠した数十分だけしか寝ていない。睡眠を沢山とらないとやっていけない僕にしては快挙中の快挙である。

同日 19:00頃

「腹減ったからラーメン食って寝るよ」

「えーうちの演奏観てってよ」

「眠いんだよ眠い眠い」

「ラーメン旨え!」

「まだ起きてるんですか」

「なんだかぁ!覚醒ィ!してきたぁ!」

「絶対寝た方がいいですよ」

同日 23:45頃

「エビ格好良いなあ。なあブレザー君!僕羨ましくなっちゃったよ!」

「あー何だかわかるかも。舟橋君好きそうだもんねえ」

「うん、結局僕はああいうエンターテインメント性のある事をやってい(中略)。お腹減ったなあ」

「そろそろ犬丸、準備しなくていいの?」

「そうだねえ、ぼちぼちやるかなあ」

結局、仮眠しようしようと思いつつ、何だかんだで眠っていなかった。This is コダマ マジック!

あ、でも睡眠不足でアタックのある音楽は何だか全然聴けなくて(頭が痛くなるというか、情報の入力過多で耐えられない感覚)ゲリラステージ辺りでボーッとしたり、海に突貫した各務君とお風呂に行ったりしてマッタリ過ごしていました。

誰が行ったか「見逃すのもフェスの思い出」!

そして、我々は第2ステージに向かって動き出した。

そう「犬丸ラーメン」である。

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