ライブについて書くつもりだったのだけれど、あまりにも印象深い出来事があったので取り急ぎそちらを先に。
深夜に小腹が空いたのでコンビニに。中に入ってカップラーメンの棚へ。最近は色々な種類のカップラーメンがあるけれども、今夜の気分にフィットする商品がなかなか見つからない。第一、カップラーメンは今の胃袋にはトゥーマッチ、少しばかり重いのではないかと思われた。どうしたものかと思い悩んでいると
「何かお探しですか」
振り返ると雑誌の納品業者と思しき男性と、このコンビニの店長だろう、なかもとさんだ。なかもとさんは僕がこのコンビニに行くと大抵いる初老の男性で、恐らく店長だろう。随分と厳めしい顔つきで最初こそ怯えていたものの、その実テンション高めで独特の口調で印象深い店員さんだ。二人は品だしをしていたようで、入店前から親しげに話していたのが外からも伺えた。
「いや、小腹が空きましてね」
「じゃああれだ、そのワンタンが良い。近頃のカップラーメンは高いでしょう。その点それは安いし旨い!」
と砕け親しみやすい笑顔で話す雑誌氏。
「本当だよ本当。旨い!」となかもとさん。
「こないだそれ食ったけどね、隠れた名作よ?それ二つで飯二杯はいけちゃう!」
「あーそれは本当に旨い!」
95円のマルちゃんのワンタンを薦める二人。物凄いヴァイヴスだ。
「それ熱湯3分って書いてあるでしょ、そこをね、5分くらい置いておくともうワンタンが良い感じになるんだよねえ」
横でなかもとさんも白目を剥きながら頷いている。
「ではこれとおにぎりを買う事にします。おにぎりは何があいますかね?」
「明太子かタラコかな。それをね、軽く温めて貰うとこれまた旨いよ」
「じゃあタラコにします」
レジを打ちながらなかもとさんは「これは本当に旨い。何かの本でも見たし今ブームなんだよ」と白目を剥きながら頷いている。なかもとさん、それ本当ですか。
で、今これを書きながら雑誌氏に薦めて頂いたワンタンスープと、なかもとさんに温めて頂いたタラコおにぎりを食べている。
成る程、これは旨い。ワンタンは柔らかく、スープも良い味してる。温かいコンビニにぎりがこんなに旨いなんて。
有難うございます、雑誌氏になかもとさん。お二人のお陰で鉄板の夜食セットが出来ましたよ。
これからこのセットを、お二人の思い出を込めてなかもとセットと呼ぶ事にします。
恐らくは日常的になかもとセットを食べているお二人の事を想像しながら、ワンタンを飲み下した。
いや、これ本当に旨い。
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