ご近所さんに炭酸さんという先輩がいる。
炭酸さんはドラマーである。時折目つきをギラギラさせ「あっこの人絶対悪巧みしてるな」と人に思わせるような顔をしながら、(きっと)純粋無垢な人である。
炭酸さんとは直接お話した事がなかった頃からSNSで繋がるという、極めて現代的な交流の持ち方をしていたし、共通の友人も多いのできっとお互いに存在は認識していたはずだ。対バンした時はお話しなかったものね。僕人見知りだし多分炭酸さんもそうだもんね。
そんな炭酸さんとスタジオに入ったのは先日の話。
特に何をやると決めたわけでもなくただ「ご近所さんだし」という理由だけで自宅最寄りのスタジオに2時間ばかり二人で遊びに行った。おもむろにドカドカやりだす炭酸さんに対して僕もピーピーギャーギャー、ノイズなのか前衛的な演奏もどきのようなもの(もどきのようなもの、である。もどきでさえない事は踏まえて頂きたい)を重ねていったのだった。
45分も演奏しただろうか。お互い適度に良い汗かいて、多分同じくらい楽しかったはずだ。
かつて『耳栓犬畜生』というノイズバンドが存在した。
このバンドは名古屋で生まれ、結成当初に動画サイトにあげられた動画を観て「いつか企画に呼ぼう」という舟橋の目論見をよそに、初ライブにして解散した。名古屋ライブハウスシーンの長い歴史上、そのバンドが存在したのはほんの一瞬だったと言ってよいだろう。
ライブ後、会場にいた人間そしてメンバーのSNS上での発言から「何かが起きたらしい」と伺いしれた。え、え!何があったの!!
「何やったんだあの人ら」という驚愕(実際のところ、飲みすぎたらしいですよ)と同時に解散してしまった観てみたかったバンド=耳栓犬畜生がこの度『犬栓耳畜生』と名前を変えて再結成される。再結成、否、リベンジともとれるこのバンドのライブをまたしても僕は観る事が出来ない。
参加するからだ。
4月11日に大阪は緑橋、戦国大統領というライブハウスにて『犬栓耳畜生』というノイズバンドで演奏をします。
ドラムにツインベース(片方は僕だ)、ギターボーカルにボーカル(いまだにスタジオに来ていない)という編成のこのバンド、同日各自で現地入りをし、リハの段階で会場入りに間に合った、その場にいるメンバーで演奏するとの事。こういう発想、大好き。
「その朝起きた瞬間から即興スタートです」とはドラムの炭酸さんの弁。思えば炭酸さんとのスタジオセッションがあったから、今回の犬栓耳畜生に合流出来た。
舟橋はどうにかして制限時間内に現地入りするつもりなので、この日戦国大統領に来られたらきっと僕のベースギターからほとばしるノイズが聴ける事でしょう。
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