つい今しがた打ち合わせから帰って来た。今日は毎月行っているライブハウスでの演劇イベントの打ち合わせであり、ここ最近は運営さえも若い次世代の人達に任せっきりで僕はお飾りの代表になっていたのだけれども、ひょんな事から出演するという事に相成って折角だからという事で打ち合わせにも顔を出してきた。
いや、次世代はしっかりやってくれている。会話の流れ上、僕達がこのイベントを続ける意義(今や彼ら、と言った方が適切なのかもしれないけれども。正確に言えば僕達が初めて彼らが続ける意義、となるはずだ)みたいなものも会話にあがり、当初思い描いていたところまではこのイベントは到達したのだろう、と何となく思った。聞けば、次世代の運営も世代的には大学卒業、社会へと出る年齢であるという。次世代の次世代が出てくるのかもな、とそんな当たり前の事にようやく思い至った。
今年は毎月開催されている(幸い一度、出演した)ライブハウスでの演劇公演『新栄トワイライト』、是非チェックしてみてください。
さて、その打ち合わせ中に18歳になろうという女の子から相談(?)というか、葛藤を吐露された。
「自分はもうすぐ高校を卒業、年齢的にも先々の進路も考えている。やりたい事をしっかりガツガツとやりたい気持ちもあるけれども、そればかりやっていて結婚したり子供を産んだり、そういう”当たり前”の幸せを逃すんじゃないかと、行き遅れるんじゃないかと不安です」
聞いて最初に思ったのは何て真面目な人なのだろうと、そう思った。自分が18歳の時にそんな先の事を、人生の事を考えただろうか。あの頃の自分が考えている『先の事』だなんてせいぜい一週間とか一ヶ月とか、それくらい先の事でしかなかったんじゃなかろうか。
年齢だけは目の前の彼女より重ねている立場の人間として、お節介ながらも何かコメントしないといけない気がして思った事を素直に伝えた。一般的な考えではないだろうし、あくまで自分の考えであるし貴方のご両親は反対されるかもしれないけれども、と前置きしたうえで
「結論から言えばやりたい事が明確にあるのであればやっておくべきだと思います。少なくともその時々、最善を尽くしている、と思えるだけやっておいた方が良いです。まともな感覚さえ持っていればやりたい事をやりながらも常に所謂”当たり前”の幸せを得るための『締め切り』みたいなものは意識して、もうギリギリだぞという時には人生の岐路を意識する事が出来るはず。やらない後悔は絶対に辛いのでその年齢であれば、やりたい事はやった方が良いと僕は思います」
自分の人生を肯定したい、そういう思いがなかったかと問われると否定は出来ない。けれども、今現在、一人の男性として、一人の表現者として幸せな行程を進んでいると思えている自分から発せられた、それは素直な言葉だった。
今これを書いているこの瞬間、僕は自分にこの言葉をちゃんと突き付けないといけないと思っている。彼女とは違った局面で、僕もこれからの自分の状況の変化と共存させながら(折り合いをつける、ではない)、その時々で自分のやりたい事を追求せねばならないからだ。そしてそれを検討しながらの人生は一人の人間、表現する人間、どちらの側面から見ても大変興味深いはずだ。
目が覚めるような瞬間だった。良い会話をした。良いきっかけを貰った。
時間は逆行する。今朝の話だ。
今朝は早起きして髪の毛も洗わず、寝巻のTシャツのまま洗顔と歯磨きだけして妻の運転で出掛けた。近所のレンタルショップ兼ゲーム屋にNINTENDO Switchが入荷、抽選が行われるとの情報を妻が入手したからである。普段だったら起床後、準備に時間がかかる妻も今朝は前例がない程の速度で家を出る準備を終えていた。彼女はSwitchがどうしても欲しいらしい。
妻はNINTENDO派、僕は(どちらかといえば、結果的に)SONY派だ。僕がやりたいゲームは所謂『鉄砲をバンバン打ってグッチャグチャになる』ような作品や『神経に障るような』ホラーゲームが多い。そういうのは任天堂、あんまりないものね。いや勿論マリオとか愛着はあるのだけれども。
というわけでスプラトゥーン2をどうしてもやりたい妻はどうしてもSwitchが欲しかった。異例の身支度の早さもそれ故である。どうやら本気だ。ここでその熱量に水を差すのは人間として、夫婦としてどうかと思うし、また少しの打算もあった。
(ここでノッておけば、そしてもし自分がSwitchの購入権を当てようものならエフェクターが買いやすくなるかもしれない)
かくして真黒な腹の内を隠してのSwitch抽選行脚が始まった。
一店舗目、店長さんが混雑を危惧してか張り紙よりも早く抽選券を配り始めて下さった。よくわからないまま、スプラトゥーン2の同梱セットの抽選券を貰う。
二店舗目の様子を見に行っていた妻も戻って来て抽選券を入手。
二店舗目、三店舗目と二人で廻る。幸いな事に当選発表の時間帯は各店舗でずらして設定してあり、三店舗目から発表を聞きながら逆に回っていくのが同時に自宅に向かって近づいていくルートにもなっていた。三店舗目でHOIP ウカイさんに遭遇。自分達と全く同じルートを辿っているそう。
三店舗目の当選発表、目の前で店員さんがくじを引いて番号を読み上げていく。残念ながら僕の番号も妻の番号も読み上げられなかった。二店舗目の当選番号発表まで時間があったのでファストフード店で朝食をとった。
「朝早く家を出てそれなりにドライブ的な事もしているし、こうして美味しい朝ご飯も食べられているから良い休日感、あるね」とか、そんな話をした。別に全部ハズレでも悪くないな、とかちょっと思っちゃったもん。
で、二店舗目に戻る。ウカイさんと再会。一店舗目より当選数は少なかったものの、ウカイさん見事にゲット!
「今日は一日ご自宅でスプラトゥーンですね!」と声をかけると「いや、それは子供の教育上良くないから外に出るよ」とウカイさん。良い父親!!
残念ながらここでも僕達の番号はなし。妻はちょっと気落ちしていた。僕はヘラヘラしていた。
そして数時間かけて戻ってきました一店舗目。張り出してあった当選番号を見ると、あった。僕の番号が当たっている。
舟橋家にNINTENDO Switchがやってきた瞬間であった。
当たった事にかこつけて、妻に運転して貰って欲しかった漫画を買いに行った。エフェクターも見た。
ちなみに、まだスプラトゥーン2では遊んでいない。アカウントを作れば妻のデータとは別のセーブデータで遊ぶ事が出来るそうなのでやってみようかな、とは思っている。
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