BOSS PW-2を購入。思い入れと第一印象について書く。

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手に入れようとするものの何故かフラレてしまう。そういう機材って幾つかあって、僕にとってBOSS PW-2はそういうペダルの中の一つだ。

PW-2ことパワードライバーは、知人のベーシストが「ベースに使っても具合が良い」と評しており気にはなっていた。生産完了しているにも関わらず特に値段が高騰しているわけでもないのは不人気さ故なのか、時折中古ペダルの棚に並んでいるのを見かけてはいたのだが今日に至るまで僕がPW-2を手に入れるに至らなかった理由は単純にご縁がなかったからに他ならない。
別に出回ってる数が少ないわけでもなければ(どこでも見かけるってわけでもないけれど)オークションで競り負けたりするわけでもない。過去に実際に購入直前までいったものの、その時は試奏してみてピンとこなかったり、また別の時はお手軽な価格で買えそうであったもののインプットジャックにガリがあったりして、そういう理由で「余裕があれば欲しい」けれど、実際に手に入れる事はなかったのである。
しかして、少し前にSNSでフォローしている機材愛好家達がPW-2を話の肴に暫時盛り上がっているのを見て「そういえば欲しかったけど未だに持ってないよなァ」だなんて大手中古流通サイトで検索してみるもどうも少し前より平均的に値段が高くなっている気がしてしまって、こいつぁ購入に踏み切れない。大体ネット通販でペダルを買う事自体が僕はあまり好きではなく、余程欲しいものでなければ実際にお店に足を運んで購入したい。実際に触ってみたい、という思いと商品を購入してから拙宅に到着するまでの間、気が急くのでそういうのを出来るだけ避けたいという気持ちが働いてしまうのだった。

近場で在庫があるところはないものか、と調べてみてもやはり、ない。こりゃあ今回もご縁がなさそうだ、と思いつつも念の為サイトを移りチェーン展開するリサイクルショップのweb検索に「PW-2」と打ち込んでみる。
「お」
名古屋市内の店舗にそこそこ手頃な価格で中古のPW-2の在庫を見つけてしまった。
近々覗いてみるのも良いかもしれない。明日あたり妻に話をしてみよう、と思いつつスマートホンを枕元に置いて目を閉じた。
翌朝、通勤途中に娘を保育園に送りそのまま出勤した妻から連絡があった。なんでも欲しい服があったようで購入して良いか、という相談の連絡であった。内容にザッと目を通すもののまともに精査する事はしない。妻は慎重に買い物をする方だし、自分の欲望を我慢して買い物を逃しがちな人なのでこういう連絡には背中を押す回答をするよう心がけている。
購入を支持する旨伝え、その瞬間に「交渉するなら今が最適なタイミングだ」と察した。
妻からも快諾を貰え、その日の仕事を終え次第実際に店舗に行ってみる事となった。

仕事後、いつもより早く職場を出、急いで店舗へ向かう。試奏こそすれど、音については精査しない。どうせ普段の自分の環境でなければ音についてはわからないからだ。ガリや接点不良のない事を確認して購入。
で、実際に音を出してみてPW-2、ビックリしましたよ。これってベース用のペダルじゃないよね?と言いたくなるくらいベース向けの帯域が触れるようになっている。なんとなく、売れなかった理由がわかったような気がした、というかギターに繋ぐとこれ、モッサリし過ぎるんじゃなかろうか。

コントロールはLEVEL、FAT、MUSCLE、DRIVE。LEVELとDRIVEはその名の通り。あ、歪みの幅は割と広い印象。
FATとMUSCLE、この二つのコントロール名が分かりづらいというか、ネーミングセンスが垢抜けないというか。低域と中域のコントロールなのだけれど、FAT、右に回し切るととんでもないローが出る。ある段階から急にローがブワッと持ち上がるようになり、実際それくらいの設定にするとベースでもなんら不足なくローが出せる。
このペダル、面白いのがそこまで歪ませなくともオンにした時の音圧感というか威圧感みたいな部分がDRIVE上げ目の設定の時とそんなに遜色がない。下の方から押し上げるように歪むからだろうか。

こういう万能選手ではないけれど自分の嗜好やシステムと合致した時に思わぬ威力を発揮する系の機材は憧れというか、そういうのを使いこなしたいなという欲求を刺激される。

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