ELECTROGRAVEのワークショップに参加。

京都から帰ってきて、それなりにしっかり寝て疲れをとり、起床して妻の実家に向かう妻と娘を見送り自転車で名古屋発の音響デバイスブランド ELECTROGRAVEのワークショップへ。
参加者の希望日に合わせて開催される形式に変わったELECTROGRAVEのワークショップ、新しい作品(=製作物)として公開されたファズがあまりにも興味深かった。ELECTROGRAVE 小池さんに調子の悪いエフェクターの修理をお願いしに行った折に弾かせて貰い衝撃を受け、同じく参加しようと予定していた友人 鈴木君と日程を合わせて申込、この日に開催される事となったのであった。
ちなみに妻は妻でこの日に予定があったらしく、うむ、お互いに良いタイミングだったね。

久しぶりに会う鈴木君とELECTROGRAVEのアトリエ近くの台湾料理屋でランチを一緒に。
刀削麺と五目炒飯というまさに町中華のランチセットだがこれがなかなか良かった。お互いの近況報告やら何やらして、時間になったのでELECTROGRAVEのアトリエへ。
到着すると小池さんと同じくワークショップ参加者のJoeさんが。Joeさんは僕の知る限りSUNNアンプの有数のコレクター。
ネットオークションや市場に出回るSUNNアンプのほとんどはこの人の下に集まっているのではと仲間内で噂になる程で、実機を弾いているからこその経験に裏打ちされた造詣の深さは生半可な解説記事じゃ太刀打ち出来やしない。
Joeさん曰く『最近は専らモジュラーシンセ』との事で、どうもモジュラーの沼にどっぷりハマってらっしゃるようだ。こういう愛好家の方が集まる場所である、ELECTROGRAVE。

さて、半田付けの練習を経て抵抗、コンデンサーと部品を基盤に半田付けしていく。都度都度、解説とチェックを入れて頂けるので安心感に包まれながらの作業である。
参加者含め全員顔見知りなので、舟橋は随分とリラックスしながら、それこそドリンクオーダーをしたコーラをあおりつつ楽しく作業した。過去に参加したワークショップの効果かもしれない、部品の半田付けや作業にそこまで苦戦する事なく「今何をやっているか全くわからない」不安も微塵もなく、手応えを感じながら作業する事が出来た。

製作しながら思わず「凄い!」と声を上げて感動した事がある。配線材の長さが非常に気持ち良く、部品同士を綺麗に避けるような長さに計算されて切られている事に気が付き、改めて見てみるとそもそも基盤のサイズもジャック類と一緒にケースに収めた時に大変無駄なく美しく収まるように計算されて設計されている事に気が付いたのであった。
「今回の製作物は、載っている部品から配置、全てに於いて計算されていないものはありません」
小池さんが静かに、しかし確信を持って応えて下さる。
作品を思いつき、試作し、推敲し、そしてワークショップ用にデザインを重ね、それを今組み上げているのだ。
何だか感動してしまった。物を作り上げていく感動、それを感じ得る心の導線を静かに、しかし確かに書き上げて下さっている事を感じた。
何も感じない人は感じないかもしれない。
しかし一度市販のキットを作った時には感じなかった感動がここにはあった。市販のキットも作る喜びはあったけどね。

組み上げてまずはLEDが光るかチェック。
光った!では音は?
出た!この瞬間の興奮たるや!!


ELECTROGRAVE Experimental Fuzz mkⅡ、無事に完成!
詳しくはまた書くけれども、いやこれ、作る感動も凄かったけど、ファズとしても類を見ない過激なブツなのである。


製作した3人で記念撮影。
右からJoeさん、鈴木君、僕。