妻の妊娠ならびに出産予定日が判明した時点で「大体これくらいの時期以降にはライブの予定を入れるのを控えよう」と妻と話し合って決めていた。
残念な事に台風の影響で中止になってしまった白線の内側の企画も、僕の中では第二子誕生前の節目の演奏となるはずだったのだが、まあこればかりは仕方ない。一生演奏活動に復帰しないというわけでもないし、妻も「何なら年明けくらいから復帰しなよ」と言ってくれている(とはいえ家族が一人増えるというのは未知数の事が多い。くれぐれも家庭の運行を優先して現実的な選択をしたいところだ)わけだし、必ずやストライクバックを果たそうと思う。
話を戻して「これくらい以降はライブ活動を控えましょう」の区切りとなる演奏が、この9月14日と15日の2日間での鈴木実貴子ズでの演奏なのであった。
まずは9月14日(土)、岐阜県は恵那市串原にて開催された山のハム工房GOBARとドブロク先輩による共同企画『秘境にて2024』に出演。結構な山の中に向かうという風に聞いてはいたけれども(何せイベント名が『秘境にて』だ)、高速道路を降りた後も山道をグングン登り、到着したのは美しい山の風景と畑が広がる風景。『秘境』というにはのどかな印象だけれども、完全に普段生活している都市圏とは違って空気が美味しい。
大きなお腹の妻とはしゃぐ娘。
妻は正産期に入った。連れまわすのは心配な時期ではあるけれども、妻の「今日は産まれない気がする」(気がする、というと随分と抽象的だが経産婦である妻は一人目の時の体感と照らし合わせての発言である。説得力はあるとして良いだろう)という言葉を頼りに一家で向かったのだった。
駐車スペースに車を停めると驚いたのか大きなバッタがピョンピョン飛び跳ねた。初めて見るそのサイズ感に娘もびっくりしていた。
会場に入ると、これが実に良い雰囲気の場所なのであった。
親子連れも沢山来ており、室内の兼休憩スペースみたいな場所では赤子をあやすお母さんもいらっしゃった。場所だけで興奮したり感動したり癒されたり、というのは時折あるけれども、この日は「うわあ!」と思わず声を上げてしまったのだった。
こういうシチュエーションはきっと娘の心にも残るに違いない。
演奏前にマッサージを受けた。肩甲骨のあたりをグリグリして頂き、大変気持ちが良かった。
この日のステージ。こういう環境下では普段以上の演奏が出来るのが常である(状況に左右されるのは良い事ではないけれども、実力以上の何かがこういう日には出るものである)からして、どんな演奏になるだろうと楽しみであったのだけれども、自然が広がる中で我々4人、大いに音楽を演奏した。気持ち良くないはずがない。
興奮し過ぎて背中を痛めた。いや折角マッサージ受けたのに!
演奏後はそのまま娘と約束していたプリキュアの映画を観に長久手のイオンシネマへ。
グッズをあれこれと欲しがる娘についつい色々買ってあげちゃった。いやだって普段から頑張ってるもん、娘。
第二子誕生に向けて不安もきっとあるだろうに、こういう日くらいは思い切り甘やかしてあげたいなと思ってしまったのであった。基本的に家族に甘いのであった。