書いたようで書いていなかったぞIbanez ES-2 ECHO SHIFTER。

昨日の日記にも書いたけれども、こういう腰を据えて色々弾けるタイミングで手持ちの機材の整理をしておこうと思った。
この場合の『整理』というと「使わないものを売っ払う」を意味する事が多いかと思うけれども、今回の場合は(というか僕の場合は)「手持ちの機材にどんなものがあるのか/どんな機能があるのか、を整理して記録する」の意。


というわけで購入(いつ買ったか記憶が定かでないけれども少なくとも5年前の日記には使っている様子が書いてある)以降、割とガッツリとライブとかでも使ってきたにも関わらず何故か備忘録を書いていなかったIbanez ES-2 ECHO SHIFTERであります。

ディレイタイムが最長で1000ms=1秒のアナログディレイ。
所謂普通に美しいアナログディレイとして使う事が可能ながらも、一瞬にしてぶっ飛びディレイに変貌する事も出来る楽器として非常に懐が広い名機だと思う。あんまり名機って言わないけれど、これは紛れもない逸品だと思う。

購入した時期もどこでどうやって買ったかも記憶が定かでないのだけれども、導入したきっかけはELECTROGRAVEの小池さんが設計したと聞いて。発売当時も確か「ロック墓場(当時小池さんが活動してらっしゃったバンド名)の小池さんが設計したIbanezのディレイが素晴らしいらしい」とSNSで話題になっていた。後に小池さんご本人に「ES-2、あれは素晴らしいですね」と直接伝える事が出来たのだけれども、どうやら開発は相当大変だったとの事。
結論からいっちゃうと『アナログディレイとしての完成度』と『その気になればぶっ飛べちゃう楽器』としての完成度が高い次元で同居する事が実現していて、いやそりゃあきっと苦心されたんだろうなあと思う。
その昔は公式で『ES-2開発者インタビュー!』みたいなのをメーカーサイトで読めた記憶があったのだけれども、今探しても見当たらなかった。読み応えがあったのに残念。

コントロールは
FEEDBACK=ディレイの返ってくる回
MIX=原音に対してどれだけディレイサウンドを混ぜるのか
DEPTH=モジュレーションの深さ
OSCILLATIONスイッチ=オンにすると一気にFEEDBACKをぶち上げる、つまり発振する
MODULATIONスイッチ=モジュレーションのオン/オフ
DELAY TIME=ディレイタイム。最長1000ms。

特筆すべきはディレイタイムをタップテンポと筐体中央のフェーダーでコントロール出来るようにしてしまった事。
このフェーダーでディレイタイムを触れるって僕の知る限りこのESシリーズ(現在は後継機のES-3が発売中)くらいだと思うのだけれども、これがもうペダルから「グリングリン触ってくださいね」と言われているかのよう。OSCILLATIONスイッチはその気になれば足でオン/オフ出来ちゃうので、そんなスイッチが搭載されている点から鑑みてもES-2はそういう趣向の人に「どうする?」と投げかけている感じがある。発振は尖っておらず柔らかく美しい印象。けれどもフェーダーでディレイタイムを最短から最長に一気に可変させると結構大変な事になるので要注意。
モジュレーションはフルアップすると結構エグくかかってくれる。十分『ぶっ飛びペダル』として扱える程派手に可変する。ディレイタイムと連動してピッチが可変するので、発振のみならずモジュレーションの観点からもディレイタイムをフェーダーで触れるようにしてくれたのは素晴らしいと思います。
ここまで出来て更にはタップテンポ搭載!機能マシマシ!あ、ちなみにタップテンポはエフェクトオン時のみ可能ね。

こうやって書いていると結構飛び道具としての運用をしていると思われるかもしれないけれども、普通にアナログディレイとしても美しいサウンドなので『タップテンポが可能なアナログディレイ』として使う事が多い。
MIXコントロールでアンサンブルが破綻しないように調整した上で『ベースラインの後ろで発振、ベースを弾きながらフェーダーでディレイタイムをグリグリ動かす』とかやってみたいなあとはずっと思っている。

機能にばかり触れてきたけれども筐体を左右から挟むように据えられている木製パネルや、斜めになっているコントロール面といい、ペダルとしてのデザインも美しくて好きです。弾きながら手元で操作するのも絵面的+機能的に面白いと思う。フェーダーついてるし。

ちなみに後継機のES-3、滅茶苦茶多機能になってる…。
そちらは小池さん、関わっていないそうなんだけれども、これもいつか手に入れたいなと舟橋は思っている。