前回まで
■はじめて尽くしの日東科学版グスタフ編 第1回 洗浄→組み立て
金曜の夜である。
これまで金曜の夜は娘が寝静まった後「個人練習で大きな音出そうか」「サウナに行こうか」「それとも体のご褒美、マッサージ行こうか」みたいな過ごし方だった。
先日の白線の内側練習で丁度色々と感じる部分があったのでペダルボードを組み直したいとも思っていたのだが、翌日から3連休である。時間はあるし新しくペダルボードを組み直すにはもう少し頭の整理も必要だなと思ったので手をつけたグスタフの製作作業を進める事とした。
今回の日東科学版グスタフに挑戦するにあたって、自分の中での一番の挑戦が「フィギュアの塗装に挑戦する事」であった。
フィギュア=人間の塗装。
これまでの数少ないプラモデル経験の中では人間の部品さえ出てきた事はなかった。いや、そういえば遥か昔に初代ガンダムか何かのプラモデルを作った時にランナーの隅にポツンと人間の形をした部品があった気がしないでもない。しかし塗装なんてそもそも視野の中にさえ入っていなかった当時の僕は当然のようにスルー。
しかしマシーネンに手を出すにあたって兵士のフィギュアの塗装は避けて通れないだろうと思っていた。
また、デコパージュ(台座)に完成したキットを固定するならば、恐らくその進む先にあるのはジオラマ的な表現になってくるだろう。そこに兵士の姿があった方がより情景が鮮明に、そして一気に立ち上がってくるのは疑いようもない。
日東科学版グスタフを2つ目に手を出すキットに選んだのは、実は早々に兵士の顔や軍服、装備品を塗るという経験を済ませておきたかったというのも理由としてある。
この日は仕事終わりでかかりつけ医にがん検診の結果を訊きに行く予定があったので、その流れで実家により父親に事情を話し塗料も色々借りてきていた。
「兵隊を塗りたいんだよね」
「じゃあフラットフレッシュがいるね」
当たり前のようにネットで調べて出てきたカラー名が出てきて驚く。
顔の陰影表現についてもザッと指導を受けて、面相筆(ミニチュア兵士の顔を塗るのに適した先が細い筆である)も何本か用立てて貰い、万全の状態で塗装に臨んだ。
物凄く緊張したけれども(ええい、ままよ)と筆を奮った結果。
果たしてこれは良い感じ、なのか。口元や目元に色を足した方が良いんじゃないか。
それともこのままいこうか。このままでも世界の一員としては十分過ぎるのではないか。
迷ったので、一旦このままにしておく事にした。
後々塗り足す時間はきっと沢山あるはずだ。
説明書を見る限り「製作中に適時色を塗る事が前提なパーツ」が複数ありそうだった。
ファイアボールSGの時は一気に組み上げて何ならポーズもバッキバキに固定してから下地を塗り始めたけれども、今回はそうもいきそうになかった。
この部品、部品だけで見ればなんて事ないのだが。
こういう風に網が重なってくるので、事前に部分塗装が必須である。
部分ごとに塗装→組み上げという順番で作業出来れば良いのだけれども、ポーズまで決めて直感とその場の雰囲気で筆を動かしたいと思っている僕には、これは想定外。
成程、この段階でこういう手順を教えてくれるわけだねマシーネン。
どう塗ったものかな、と思いつつ筆を動かしていく。
しかしこの部品、何と後々「塗装したところでキットが組み上がった際には全然見えなくなってしまう箇所」である事が判明した。
「全く、ここまで塗らなくても良かったよね」
「いや、そういう見えない部分をしっかりやってこそ、じゃん」
流石、父。言う事が違う。
先に塗装したパーツを組み込みつつ、ボディの部品を合わせて接着して組み上げていく。
パイロット席(という表現であっているのだろうか)の左右についている恐らくは操縦席のガラスの保護のための鉄格子っぽい部分、部品はあったのだけれども強度の点で心配がありそうだったので真鍮線で置き換えておいた。
真鍮線を使った作業は今のところ、結構好きだ。
操縦席の背もたれもしっかり塗装。
それにしてもこのボディを組むのもそれなりに苦心した。
幾つかの部品を挟み込んだまま、左右に分割されたボディパーツを接着せねばならなかった。
どうにか作業完了。この時点で明け方4時過ぎ。
今日はここまでとした。