日東科学版ハインリッヒを作る 第2回 削ったり強引に接着したりしながら組む

前回まで
日東科学版ハインリッヒを作る 第1回 座学→洗浄→組み始める

模型製作を始めて2ヶ月と少し経つ。
製作したキット数は5キット、今現在6キット目に着手しているところだ。
今更ながらに改めて思うのだけれども、多分製作ペースが早過ぎる。
というかもう少しじっくりと腰を据えて製作しても良いのではないか、と思う。ガンガン接着、ガンガン削る!という感じで手を動かしてはいるけれども、多分1つ1つの作業が粗くなってるんじゃないかと思うんだよなあ。
例えば合わせ目消しとか割と「あ、ひっついたな」と思うとすぐにヤスリを握ってしまうのだけれども、モデラーの先輩の製作日記を読んでいると「たっぷり3日目は圧着した状態で乾燥させる」とか書いてあるもの。
そりゃ1つのキットを作るのに数ヶ月かかるわけだよ。でもその分仕上がりも綺麗なんだよなあ。
どんどん前に進みたいという気持ちでガンガン作ってきたけれども、各工程毎の丁寧さを見直しても良いのかもしれない、と思った。


さて、そうはいっても目の前につくりかけのキットがある。
ひとまず今回の製作は気の向くままやってみて、一息つきつつ考えようではないか。
マスキングテープで仮組しながら、どんな感じになるかを確認。
NITTOこと日東科学のHEINRICHはポージングに難はなさそう、というかこれまで作ったNITTOのキットの中ではポージングに一番無理がない気がする。肘や膝で関節が曲がる事に加えて、回転するのがその理由と思われるけれども、ポージングのために関節を再構築する必要はなさそうだ。
しかし腕の付け根がどうにもマッスル過ぎて不自然なのと腰の部分でひねる機構がないので足のポージングが限定的なので底を改善したいところ。
全体的に完成させてから色々手を加えようと思っていたけれども、上半身を接着すると色々と狭い部分に手をつっこんで作業する事になりそうだったのでこの段階で手を加えていく事にした。


腕の付け根、ボディと接する部分をヤスリでゴリゴリ削る。
これでもかと削るとよりボディに深く腕を差し込む事が出来るようになった。
ボディとの接し方がより自然になった。
「こんなに削っちゃって良いの」と思いながらの作業だったけれどもやって良かった。


足の底にパテを詰める。
後々真鍮線を差し込む際にその方が安定すると前回の製作で確認出来たので、今回も採用。
それにしても、盛り過ぎた。


腰をひねる事が出来るようにパーツを切断する方法も考えたのだけれども、どうにも作業難易度が高そうだったので足の軸を動かす事で腰をひねったようなポージングが出来るように調整する事にした。
というわけで足の軸を一度切り落として再度接着。
股間の部分に穴を開けて真鍮線を中心に据えて軸を再度接着。
写真ではうまくいっているように見えるけれども、ガンガン手を動かす弊害で「お、乾いたね!」と30分もしないうちに足をはめ込んでしまったがために軸が根元からとれてしまった。当たり前だ。
ここで数日置く決断をすれば良かったのだが。


マスキングテープで借り組みしたら腰をひねった感が実現出来ていたので軸を殺して足の根元から股間に強引に接着する事に。
いや、軸を切り落として再度引っ付けた工程が全部無駄になったじゃあないか。でも引っ付けば良し。
固定モデルにするというゴールが見えているので、こういう強引な手段にも容赦なく手を出せる。要するに強度があって格好良くなればそれで良いのだ。
腰の部分のアーマーで見えなくなったけれども、結構な量の黒い接着剤(パテっぽいし硬化時間も短いので今回の製作では大活躍でしてくれた)で右足を固定。腕も付け根を詰めた甲斐があった。左腕は前回の工程で関節パーツを誤った向きで使用したために曲がらなくなっている。
この直後に切り落としてパテを盛り、アルミ線で軸を作ってちゃんとポージング出来るようにした。
この段階でボディも接着。


メインカメラの軸パーツが滅茶苦茶細い。いくら接着剤を使うとはいえ、一定以上の強度を出す事が難しそうだったので検討した結果、部品に真鍮線を添える事で強度を確保する事にした。真鍮線を短く切って接着。「塗装で目立たないようになるだろ、きっと」くらいの気持ちで手を動かしている。
腕の付け根を削ったり足の軸を切って結局接着剤でバシバシに固定したりしていく中で、気持ちが大胆になっていたのかもしれない。「最終的に格好良く仕上がれば良いや」くらいの気持ちでかつてなく攻めの姿勢で製作。


武器も持たせてみる。
うんうん、格好良いじゃあないか。
マシーネンクリーガーの産みの親、横山宏先生の『PKAウルトラ7つの誓い』なる「こうすると格好良く仕上がるよ」という製作メモがかつて雑誌に掲載されていたそうでネット上にその記録も残っている(例えば「この部品は薄いから気をつけて」とか「この部分は削ると仕上がりが良くなるよ」とか)のだけれども、読んでみて「これは出来るね」「これは出来ないね」と自分の技量のなさを思い知らされた。歴史のあるキットを作っていると面白いなあ。


メインカメラをとりつけて(ここも黒い接着剤使用)、キャノピーをマスキングテープで仮取り付け。
同時に腕の関節にパテを盛ってシーリングを施した。
ここまでくると一気に完成形が見えてくる。楽しく、気分も盛り上がってくるところだ。
この日の作業はここまで。
楽しくってついつい進め過ぎたなあ。もっとゆっくりやれば良かったな、と思っても後の祭なのであった。