日東科学版ハインリッヒを作る 第6回 『平田ガンス』視聴→塗装「これだッ!」

前回まで
日東科学版ハインリッヒを作る 第1回 座学→洗浄→組み始める
日東科学版ハインリッヒを作る 第2回 削ったり強引に接着したりしながら組む
日東科学版ハインリッヒを作る 第3回 キャノピー加工→鋳造表現
日東科学版ハインリッヒを作る 第4回 組み上げ完了
日東科学版ハインリッヒを作る 第5回 サーフェイサー筆塗り→塗装→迷走

塗装に着手、迷走したまま一夜を明かした3連休明けの火曜日。
朝の通勤の地下鉄や市バスの中でスマホで動画を観た。マシーネンクリーガー愛好家達の間で『平田ガンス』と呼ばれるものだ。
フジテレビ系で放送されていた『プラモつくろう』にてプロモデラー平田英明氏がマシーネンクリーガーのガンスというキットを製作する様子が公開、組み上げから塗装、そしてミクロマンを改造してフィギュアにして添えるその製作の一部始終が非常に個性的であると同時に参考になる点が多く、沢山のモデラー達に衝撃と刺激を与えて語り草になっているようなのである。
前夜迷走し始めた塗装について、筆塗りの匠たる平田先生の製作風景が何か参考になれば良いなと軽い気持ちで見始めたのだけれども、いや確かにこれは衝撃的なのであった。
「市販されている筆はウェイトバランスが悪いんですよ」と筆をぶった切ったり「筆のムラが垣間見えるところがセクシー」とかそういうシーンも印象に残るけれども、計算しながら作るというよりかは実際に手を動かしながら直感的に『楽しんで』製作してらっしゃる様子に「楽しそうだなあ」と「こういうので良いんだな」と40歳素人は素直に思ったのだった。


というわけで、その夜。迷走した塗装については一旦頭をリセット。
オリーブドラブの色が良い感じだったのでその色を基本に考える事にした。
まずは全体的にワーッと筆塗り。うん、やはりこの色好きだね。


オリーブドラブの色に他の色を混ぜてそれを塗り重ねてみよう、と思い立ち塗料皿上でオリーブドラブとガルグレーを混ぜてみる。
前回のメルジーネを塗装した時に使ったよもぎ色がそのままになっている乾いている。
如何に乾いていて大きく干渉しないとはいえ、前回使った塗料のその上で新しく塗料を混ぜているという点からも思い付きでやっている事が明らかである。
色が変わるか変わらないかくらいの混ぜ具合でガルグレーを混ぜた色を塗り重ねてみると、おお、格好良い!
というか、これだ!!
オリーブドラブの中に風合いが異なるオリーブドラブが重なる事で情報量が増えて、如何にも年月を経た機械っぽく格好良くなった。立体感というか存在感が出た。
楽しくなり、どんどんと気持ちの赴くままに塗り重ねる。そうしながら時々、妙に明るい色が筆の跡の中に見えたのはひょっとすると塗料皿の上のよもぎ色がうすめ液に反応して少しずつ溶け出したのかもしれなかった。
いずれにしても厳密な調色等するつもりもない一期一会の塗装作業である。


模型製作を始めて今回の製作で6キット目である。
初めてではないだろうか、デカール貼り付けやウェザリングを行う前段階で「格好良く出来てるじゃないか」と自分で胸を高鳴らせたのは。
微妙に異なる同じ系統の色をどんどん塗り重ねる事で仕上げていく方法は、自分の気質的にも合っているのかもしれない。
自分の中で「これだ」という道筋が初めて見えた瞬間でもあった。
嬉しくなって思わず入浴中の妻に見せに行っちゃったものね。申し訳ない、妻。
『平田ガンス』を見て直接的に影響を受けた自覚はなかったのだが、精神的に突き抜けるものを感じた末のこの成果である。
となると、やはり僕も『平田ガンス』によって影響を受けたという事なのだろう。