behringer BASS BRASSMASTER FUZZを入手した

ファズを買った。
音を出したり愛でたり他の愛用のコレクションと比較したり再び愛でたり耳を休ませて再度音を出したりやっぱり愛でたりしたので備忘録を書く。


behringer BASS BRASSMASTER FUZZである。
behringerってBEHRINGER表記が正式じゃなかったっけ、と思いつつ筐体の「behringer」表記が何だか丸っこくて可愛いのでこちらで表記。
もう見たまんまマエストロのBASS BRASSMASTER(70年代に発売された伝説級のファズペダル。YESのクリス・スクワイア先生とかカルメン・マキ&OZの川上シゲ先生の使用で有名)なのだけれども、「ベリンガーからブラスマスターが出るぞ!」とSNSを中心に話題になったのが確か2024年末から2025年1月頃。
数多くのペダルのコピーを手頃な価格で販売しては本家から怒られたり物議を醸してきたbehringer。
本家のマエストロのBRASSMASTERはネットオークションでもウン十万円で出回る代物であるからして、僕みたいな小市民はなから手に入れられるとも思っていない(生憎と実機を見た事さえ、まだない)けれども、ベリンガー製BRASSMASTERとなれば話は別だ。behringerも好きなブランドの一つだし。
ブラスマスター系ってMalekkoのB:ASSMASTER(アスマスターと発音するそうでつまり尻師匠って事だ。イカレてやがる)を「東京でライブやったらその時使っていたオクターブファズについてライブハウスのスタッフ氏から”もうちょっとやっても良かったのでは”とアドバイスを貰い、じゃあいっその事ペダルごとアップデートしたれ!とそのままに電車を乗り継いで東京の楽器屋で購入して」以来、何かと気になってアレコレ買ってきたので、これも是非試してみたいと頭の中の『買うリスト』に入れておいたのだった。
そんな中、先日メル〇リを見ていたら、偶然にもコレが出品されており、設定価格も手頃ならば状態も良さそうだったのでまずは妻に一声。
「(メル〇リで見つけて)あ!…これは良い。ねぇねぇ、ファズ買っt」
「いいよ」
滅茶苦茶反応が早いのであった。
金額も訊かずに即購入許可を出すだなんて、妻からの信頼をひしひしと感じる瞬間であります。
今後も家族の期待を裏切らないようにせねばなるまい。


箱を開けて驚いた。
思っていたよりも遥かに小ぶりなサイズなのである。
本家マエストロのBRASSMASTERったら写真や動画で見る限り結構なサイズで、それ故かBRASSMASTER系って本家のデザインを踏襲すると(というかパクると)筐体サイズも大ぶりだったりする。前述したMalekkoのB:ASSMASTERも結構デカいもの。
そのイメージがあったものだから今回も筐体サイズマシマシなんだろうなと思っていたらさにあらず。BOSS筐体よりちょっと大きい、くらいなのである。これはペダルボードフレンドリー。

まずはコントロール。
上から
BRASS VOL.=ファズシグナルの音量
SENSITIVITY=ファズシグナルのゲイン
BASS VOL.=ドライシグナルの音量
BRASSスイッチ=ファズシグナルのトーンの切替
HARMONIC=オクターブの音域切替(本当に?)
となっている。

音出ししてみての第一印象は「結構エッジ立ってるな」。
これまでMalekko B:ASSMASTERや自作ブラスマスター、コントロール系統が全く違うけれどもDEPTH CHARGEを使ってきたのだが、記憶の中のそれらの音と比べてもファズシグナルにエッジが立っている。
ジャギンッ!という感じではなくてファズのザラつきだったり細かい音の粒子の粒が見えやすいといえば伝わるだろうか。これまではブラスマスター系=野太い歪みという印象があったので、この違いはとても印象的。

さて、HARMONICスイッチに関しては『オクターブの音域切替』と公式に銘打ってあるのだけれども、いや本当にそう?単純にそんなコントロールでもないような気がするのだが。
あるプロベーシスト氏のYoutubeチャンネルで本家ブラスマスターについてのインピーダンスとか位相とか色々チェックしている動画があるのだけれども、このHARMONICスイッチを触る事でエフェクトシグナルだったかドライシグナルの位相が反転する旨の検証があった記憶がある。
勿論この検証は本家ブラスマスターに関するものなのでコピー品であるbehringerブラスマスターがそこも踏襲しているかどうかは定かでないけれども、確かにこのスイッチを触る事で何だか低域がいなくなったような変な印象(これまでの経験でいえば正相と逆相の音を無理やりブレンドした時のような)の音になったりするんだよなあ。
まあBRASSスイッチの音の変化も「こう変わりました!」と断言出来る程、何がどう変わったか解析する設備もないのでBRASSスイッチとHARMONICスイッチはカチカチ切り替えつつ、好みの音になるように探すのが吉な気がする。
ちなみに僕の好みはBRASS=1、HARMONIC=2である。ドライシグナルの低域を活かしてエッジの立ったファズシグナルが前にグイッとくる感じ。SENSITIVITYは上げたところから下げていくと音作りしやすい印象。
あ、あと独特なのがオン/オフスイッチの挙動。オン時は踏み込んでスイッチから足が離れる時にオンになる。踏み込んだ時にオンではないので要注意。一方、オフは踏んだ際にオフになる。どういう機構になってるんだろうか。
クリック感も「ガッチン!」という感じではないので気になる向きはきっとスイッチとか交換すれば普通の挙動になるのでは。
詳しくないからわからないけれど。


というわけでコントロールが似通っているbehringer BASS BRASSMASTER FUZZとMalekko B:ASSMASTERと自作ブラスマスターの音出し比較。
コントロール系統はほぼほぼ同じなんだけれども配置が違ったりスイッチの向きが違ったりするのがややこしい。behringer触った後にB:ASSMASTER触ってるとドライシグナルの音量触ってるつもりでゲイン触ってたりするものね。
兎も角。
やっぱりbehringer BASS BRASMASTER FUZZはエッジが立っており、高域が強調されている印象。その分エフェクトの変化だったり「歪んでる」感がわかりやすい。
B:ASSMASTERはファズシグナル自体が野太い。勿論ファズの種類的に高域がないわけではないんだけれども、高域よりも太さに重きを置いているようでそこにドライシグナルを混ぜると混然一体となって野太いオクターブファズが楽しめる。
自作ブラスマスターは製作キットの価格に対して、結構上記2機種に肉薄する音をしている。しかしながらこれは自分の作り方が甘かったのか、それともパーツの違いなのか音にまとまりがないというか薄味な印象で、使いやすくはあるんだけれども面白味でいったら欠けるかなァと正直思ってしまった。僕に知識があれば部品を替えてもっと良く出来たりするのだろうけれども。
そして僕の悪い癖でこの3つでさえここまで違うのだから、他のブラスマスター系も試してみてぇなと思ってしまった。
本家は、死ぬまでに触る機会があれば、いいなァ。

とりあえずサイズ感もペダルボードに組み込みやすいし、一心不乱になって弾いてしまう程気持ちの良いファズベースが奏でられるのでbehringer BASS BRASSMASTER FUZZ、大変良い買い物をしたと思っている。
ライブとかスタジオに持ち出して使っていこうっと。