土曜日である。
ここ最近の土曜朝は妻と二手に分かれて行動する事が多い。
妻が娘(長女)のプール教室の付き添い、僕は自宅にて娘(次女)の朝食のお世話。
大体娘(次女)が朝食を食べ終えた頃にプール教室が始まった事を見届けた妻が一時帰宅、今度は教室が終わる頃に娘(次女)を連れて皆で教室終わりの娘(長女)を迎えに行くというのがルーティーンである。

この日はレッスン終了後、一緒にプール教室に通う近所のお友達家族とそのまま公園に立ち寄った。
お友達と娘(長女)が通っていた保育園の先生と子ども達が公園に遊びに来ており、娘(長女)とお友達がそれを認めて駆け出して合流。そんな2人をさらに皆で追いかけていったのであった。
公園の一角で落ち葉を掛け合ったり追いかけっこをしたりして遊ぶ先生方と子ども達。成程、娘(長女)はかつてこんな瞬間を過ごし、娘(次女)はこういう時間を過ごしているんだなとホッコリしたのだった。
たっぷり1時間程公園で過ごし、帰宅。
簡単な昼食を済ませてお昼からはピアノ教室へ。
ピアノ教室後は大学時代の旧友S君とその妻氏に会いに自宅近くのコメダへ。
S君とは大学時代の学部のほぼほぼ唯一と言って良い友人らしい友人である。1歳年上で強面の彼は学部中の学生から一目置かれる存在だったがロシアの狙撃兵のような風貌ながらローリング・ストーンズやジョン・レノン、映画やロシアの詩人を愛する文化的な男だった。彼から色々なものを教わり、エレキ・ギターを弾く彼とはバンドを組んで大学祭に出たりもした。
大学卒業後も折に触れては会っていたのだが、東京に住むようになったS君とはなかなか頻繁に会う事もかなわず、今回は約10年ぶりの再会となった。
きっかけは昨年の秋頃、ふと「S君元気かな」と思い立ちFa〇ebookでフレンドになっている彼にメッセージを送った事だった。久しぶりの、そして唐突過ぎる連絡にもすぐに返信をくれるのがS君だ。お互い近況報告をして会える時にまた会おう、となった。
年末頃に「年明けに名古屋に帰るが茶でもどうか」とS君からメッセージが来た。
会わないはずがない。
大学時代の友人の話なんてほとんどしない僕が、珍しくもS君との思い出話は結構饒舌になってするもんだから「どんな人か会ってみたい」と妻も娘(長女、次女)達を連れて同行する事とんった。
S君にその旨伝えると「じゃあ俺も妻を同伴しようかな。妻も貴方に挨拶したいと言っている」と返信がきた。
S君は確か大学時代からずっとKさんという同じ学部の学友と交際していたはずだが、そうか、その口ぶりからはKさんとは今はもう一緒にいない事がうかがい知れた。果たしてどんな女性がS君と一緒にいるのか。若干の緊張とともに、興味が湧いた。
コメダの駐車場に車で乗り入れると、ほぼ同じくしてもう一台車が乗り入れてきた。運転席を見ると間違いない、S君だ。
車を降りるなり声をかけると、隣の女性が「こんにちは」と声をかけてきた。成程、この人がS君の配偶s
「いやKじゃないか!」
ケラケら笑うS君。何て事はない、S君に一杯食わされたのだった。
思えばS君は「妻が挨拶したがっている」と言っただけで妻=Kではない、とは一言も言っていない。S君は配偶者に関するやりとりの中で一度も嘘をついてはいなかったのであった。見事な叙述トリックにひっかかった感覚。
そこから先は空白の10年を意識せず、気の良いS君とKさんと妻と娘(主に長女)を交えて楽しくお話した。
コメダでたっぷり2時間は過ごしただろうか。
40歳を過ぎてくると、かつての友人との縁というのは続けようとしないと続ける事も難しくなってくる。折角の再会なのだからこれからも折に触れてお互いの人生に登場しようじゃあないか、とS君とKさんと意見が合致した。素敵な未来の話だな、と思う。

Kさんがくれたクッキーが激烈に旨かったので思わず写真を撮った。
S君はリク〇ーおじさんのチーズケーキをくれた。
一方、僕は「折角なのでS君の奥様に喜んで貰えるような、名古屋っぽいものを」と考えてゆ〇りの煎餅詰め合わせを買った。
いやKさんだって知ってたらもっと違うものにしたよ、S君Kさんからしたら「実家で食べられる煎餅」でしかないよ。