FENDER THE BENDS導入。

コンプレッサーというエフェクターは人によって捉え方が様々だろうけれど、僕は「積極的に音を変える」ための道具として認識している。

音を変えるという表現ではいささか曖昧だったかもしれない、「音を格好良くする」感覚で使っている。音の粒を揃えるとか弦毎のバランスを整えるだとか色々と作用はあれども、僕が最初こそ全く関心がなかったコンプレッサーというエフェクターにある日突然グッと興味が湧いたのはCS-2との出会いがきっかけである。
juan alderete氏(自転車事故で大怪我を負われたとのこと、回復を祈ります、応援してますjuan!)がCS-2について「マイベストなエフェクター」とコメント、「何をやって(=演奏)しているか人にわかりやすくするために使う」(意訳)と解説していて思わず成る程!と膝を叩いたものである。ピッキングの「ガツッ」という部分、スライドのニュアンス、そして弦毎のバランスをその容赦のないとも言える程の思い切りの良さでバッコンバコンに圧縮してくれるCS-2はそのかかり方の男らしさとわかりやすさから僕みたいな「コンプ?ああ、音の粒揃えるために使うズルい奴ね」くらいの認識しかない輩には丁度良い入門機であったといえよう。

で、CS-2を気に入って使いながら、ベースギター本体由来のノイズまでしっかり圧縮してレベルに応じてブーストしてくれるそのかかり具合に「もうちょっと幅が欲しいなあ」と手を出したのが同じくBOSSブランドのBC-1Xだった。
「原音重視の~」と謳われているのを見た事があるがいやいや、これ結構しっかりガッツリかかってくれる。そのわかりやすい圧縮感としかしノイズは増幅しない融通の効く感じ、これが大変気に入ってずっとメインコンプとして使ってきた。時折CS-2に戻ってその暴力的な圧縮具合を楽しんだり、しつつ。
コンプレッサーに関しては「BC-1X最高!ローがまとまって変に暴れるのを防いでくれるのも最高!」と思っていたのだけど、NUMBER GIRLの中尾憲太郎氏がFENDER社製のコンプレッサーを足元に導入、エフェクター好きなその手のプレイヤー達も「これは良い」「格好良い音がする」とか感想を言っているのを見聞きしてどうにも気になってしまった。
現物を見かけたら弾いてみよう位には思っていたのだけど中古で手頃な値段で売りに出ているのを発見、「今買わなくてもどうせいつか手を出すだろうから、それなら今のうちに」とひとまずの目的地に到着したコンプレッサーの旅、延長コースかつ寄り道をしてみたのであった。

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THE BENDSって名前が格好良いよねこれまたね。
コントロールはLEVEL、BLEND、RECOVERY、DRIVEの4つ。まずコントロール名がコンプレッサーっぽくなくて面白い。
LEVELとBLENDは名前の通り、そうそう、僕は手持ちのコンプレッサーペダル、ブレンド機能搭載のものが一つもなかったのでコンプでブレンドってどんな具合なんだろうというのも気になってたポイントであった。これ、結局上げ目にしてしまうというかコンプレッサーをかけた後の音を作った後に丁度良い音になるまで下げていく、みたいな感じで音作ったのだけど13時前後が一番好印象。
RECOVERYはリリースかな?と思われるのだけれどもどうも僕のシステムでは効果がわかりにくかった。
圧縮具合を司るコントロール名が「DRIVE」!これ、面白い事にグングン上げていくとその名の通り歪んでいく。バッギャンバギャンになるわけではないのだけれど、音が滲むというか自然と歪むので違和感こそないけれど随分と思い切ったペダルだなぁと思った。

スイッチをオンにしてコンプレッサーがかかった時はLEDがピンク色に光るのでわかりやすい。見た目でもコンプレッションされてる、とわかるのは安心感がある。
あと各ツマミにLEDが仕込んであってそれぞれどの位置に向かっているのかわかりやすい。妙に派手な印象があるから僕はスイッチでオフにしているけれど。

オンにしていると全体的に音がざらつくというか「悪っぽくなる」感じがあって楽しい。ついつい力んだピッキングをしてしまった時の唾を吐きかけた様なアタックが拳で鳩尾にねじり込んだ様なアタックに変わるのはオイシいポイントだと思う。
ピッキングした時の各音の質感(ロー感、と言っても良いのかもしれないけれどこの場合は量感、なのかもしれない)とピッキング音との距離感がグッと近くなって出音もまとまる。
音が格好良くなるコンプレッサーである。

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