基本的にエフェクターってより新しいものの方が機能的には優秀である、と断言して良いと考えている。
勿論それが「=音楽的に良い」というわけではない事は明らかであるが、音ではなく技術面で機材を捉えた際にそりゃあより新しいものの方が優れているのは当たり前の事である。
音という観点で捉えるとそれが必ずしもそうではない。「この時代のこのパーツならでは」という部品的な点から古いものの方が評価される部分はあるであろうし、あとは信仰的な部分、というと聞こえは良いが要するにもう所有者それぞれの好みの範疇で新しいものを超えて旧いものが評価される瞬間は多々存在する。音響的には恐らく新しいものの方が優れているだろうに、優れているものが良いものではなく、人の心を動かすものこそが良いものであるのはそれらが扱われる現場が音楽であるからであろう。
御託を述べた。要するに、技術的に新しいものよりも古いものの方が重宝される瞬間というのは音楽の現場ではあって、僕が自分で購入して以来愛用していたパワーサプライからわざわざそれよりも旧型のパワーサプライに乗り換えたのはまさしくそういう事で、原因はもう一言でいうと「好み」だからだ。
これまでずっとPOWERALL PA-9というアダプタータイプのパワーサプライを使っていた。デイジーチェーンすれば相当な台数のエフェクターを歪み系、空間系問わずガンガン繋げる事が出来、一頃はそれ一口からどんどん分岐して20台近くエフェクターを繋ぐ事に挑戦していただろうか。兎に角要領不足とは無縁の素晴らしく扱いやすいサプライだった。
少し前に手に入れてから楽しんで使っているGuyatone AC105は技術的にも要領的にもそれには遠く及ばないだろう。けれども見た目が格好良く、内心憧れていたのだこのサプライ。で、鈴木実貴子さんが使っていたところを新品のPOWERALL PA-9と交換して貰った。憧れのサプライゲット!
導入以来、エフェクターを8台以上繋ぐ現場をあまり経験していないのでそこまでガンガン供給しているわけではないけれども、今のところ不足は感じていない。電源ケーブルが長い事が気にかかるくらいか。
これから直接各ペダルにケーブルを接続するのでデイジーチェーンケーブルの取り回しに気を遣う事もなく、楽チンに感じる。あとこれはもう完全に男のロマンなんだろうけれども電源供給をする機材にスイッチが付いている、というのはポイントが高い。
鈴木さんにも「これは舟橋さんの足元にあった方が似つかわしいね」と言われたし、うん、これが足元にあるとグッとくる。
ちょっと荷物になるけれど(笑)。でも、ロマンだしね。
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