朝起きるとそれなりに雪が積もっていた。
「一面が雪世界!」というわけではないけれども「なんだ、積もってないじゃん」という程ではない程度。
娘(長女)は妻と公園に出掛けるというので、寝起きの娘(次女)にミルクをあげつつ僕は留守番である。
ミルクを上げオムツを替えると娘(次女)は徐々にまどろんでいった。我が家の大人は寒いと眠たくなるけれども、子どももそうなのだろうかだなんて思いつつ、娘の半径5m圏内でやりたかった事に幾つか手をつける。
やりたかった事その1『モンスターハンター新作のテストプレイをダウンロード』→まさかのプレイステーションネットワークがシステムエラー、メンテナンス中。
やりたかった事その2『製作中の模型の進捗確認』→眠る前に盛ったパテは良い感じに硬化している。落ち着いたら手をつけよう。
やりたかった事その3、それがこのファズを弾く事だった。
Ibanez SF5である。
サウンドタンク・シリーズの1つで金属ボディ。
数少ない友人の高野京介(ゲスバンド)君からその昔借りてそのままになっている(申し訳ないです)。
機材棚をゴソゴソしている時にこいつが出てきて、借りた当時に高野君から「先日エフェクターのイベントがあってそこで一番人気がなかったのがこれだ。弾いてレビューしてみて欲しい」と言われ、実際に弾いて備忘録を書いた事を想い出した。
日記を読み返すともう10年以上前の事なんだね。道理で白髪が増えたわけである。
で、当時の備忘録が「印象に残らない音」「人気がなかったのがよくわかる」と珍しく酷評気味(歪んだ音だったら無条件で喜んじゃうところ、結構ある)だったので「そんなに酷かったの!?」ともう一度弾いてみようと思った次第だ。
コントロールは左からLEVEL=音量、TONE=トーン、DIST=歪み具合と極めて普通。
このゴキ〇リみたいなルックスはそそるね。安っぽそうなのに堅牢な金属ボディなのも良い。
ベースギターを直接繋いで、プリアンプとかカマさずに気持ちをフラットにして(前回弾いた時ネガティヴな印象を持った事を一旦脇に置いて)弾いてみる。いや、結構良いぞ?
TONEを左に回しきってもDISTをマックスにすると結構バシャバシャ気味に歪んでしまうけれども、DISTをそれなりに抑えていくと扱いやすいファズサウンドで割と、良い。TONEを上げていくと結構グイグイと前に出てくるニュアンスも感じられて、何だか既視感があるなと思ったら、これビッグマフっぽい。
調べてみると回路的にビッグマフ系統のようである。主だったレビューが国内では数件であり、主に海外のフォーラムで感想を述べている人が多いんだけど概ね「BIG MUFF」。うん、そうだよね、回路の事は全然わからないけど、同じ感想。
気に入ったセッティングが見つかったら気がつきゃそのまま30分くらいブイブイ弾いてたもんだから、ピーキーな部分こそないものの結構取り扱いがしやすい良いファズという印象。10年前に弾いた時はそういう「普通に良い」が理解出来なかったのかもしれない。年齢を重ねると音の嗜好は拡張しながら変わっていくのかもなと思った。
このSF5、製造的には結構短期間だったようで後にFZ5とその名を変えるそう。それに伴ってプラスチックボディになったみたいなんだけど筐体の材質による音の違いなんてあるのかしら。
10年前に酷評した事を全面的にお詫びします。
あと10年物間、拙宅で借りっぱなしになっている事を旧友にお詫びしたいと思います。